高速SSDが欲しいなら見逃せない“NAND型フラッシュメモリの高速化”TLCの技術とSSDの今後【第3回】

データを読み書きする速度において一般的にはHDDを上回るSSD。その内部に搭載するNAND型フラッシュメモリにおいては、どのような技術の進化が起きているのか。

2023年01月30日 05時00分 公開
[Adam ArmstrongTechTarget]

 企業向けのストレージとしてSSDの利用が広がる大きな理由は、一般的にはデータを読み書きする速度においてHDDに勝ることだ。その性能の点で考える場合、SSDに搭載するNAND型フラッシュメモリの進化も見逃せない。着目すべき点の一つを紹介する。

待ちに待った、NAND型フラッシュメモリの高速化

 Samsung Electronicsは2022年11月、第8世代の3D(3次元)NAND型フラッシュメモリ「V-NAND」(Vertical NAND)の量産を開始したと発表した。このV-NANDは、接続インタフェースに「Toggle DDR 5.0」という規格を採用した。Toggle DDR 5.0は、Toggle DDRの前世代よりもデータ転送速度を高速化するのに役立つ。

 「Toggle DDR 5.0のデータ転送速度は速い。NAND型フラッシュメモリに高速性を求めるユーザー向けの製品がV-NANDの第8世代だ」。調査会社Objective Analysis のゼネラルディレクター兼半導体アナリストのジム・ハンディ氏はそう語る。

 Toggle DDRの最新バージョンであるToggle DDR 5.0のデータ転送速度は、1ピン当たり2400Mbpsになった。NAND型フラッシュメモリの性能向上は、SSDの性能向上につながる。

 SSDの接続インタフェースに「PCI Express 5.0」(PCIe 5.0)を採用することで、SSDのデータ転送速度のさらなる高速化が期待できる。それとは別に「NAND型フラッシュメモリの高速化が進むことでも、SSDの性能向上につながる可能性がある」と、ハンディ氏は説明する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news057.jpg

ピザハットが新展開 まさかのTikTok動画活用法とは?
Pizza HutがUAEを中心に「トレンド払い」キャンペーンを展開している。TikTokのトレンド...

news056.jpg

「レシピチェック」「少額決済」はデジタルが多数派に 逆にアナログでないとだめな活動とは?
博報堂生活総合研究所は、直近1年間における暮らし全般のデジタル化の度合いを調べる「生...

news072.jpg

ホワイトペーパー制作が続かない! 苦しまず量産するため、どうすればいい?
前編ではB2B企業にとって本来あるべきホワイトペーパーの役割と成果を出すための3つの使...