SSDの今後の利用拡大を見据えた場合に鍵になるのが、NAND型フラッシュメモリの進化だ。最新世代のNAND型フラッシュメモリは、どのような進化を遂げているのか。
企業向けのストレージとしてSSDの利用が広がる中、注目点の一つになるのはNAND型フラッシュメモリの進化だ。最先端の技術はどのような進化を遂げているのか。大手ベンダーの新世代NAND型フラッシュメモリを見てみよう。
Samsung Electronicsは2022年11月、3D(3次元)のNAND型フラッシュメモリ「V-NAND」(Vertical NAND)の第8世代の量産を開始したと発表した。このV-NANDは、1つのメモリセルに3bitを格納する「TLC」(トリプルレベルセル)の記録方式を採用し、容量1T(テラ)bitを実現した。
調査会社IDCのリサーチバイスプレジデントであるジェフ・ヤヌコビッチ氏は、NAND型フラッシュメモリのベンダーが新世代を発表する際、注目点になるのはコスト抑制と性能向上だとみる。V-NANDの第8世代は、性能面ではデータ転送速度が最大2.4Gbpsとなり、第7世代と比べて1.2倍になった。
特に企業向けのストレージとしては、より多くのデータを効率良く保管するために、記録密度の高密度化が求められている。「高密度化は一般的には低コスト化につながる」とヤヌコビッチ氏は言う。
V-NANDが目指す進化の一つも高密度化だ。ヤヌコビッチ氏によれば、新しいNAND型フラッシュメモリは必ずしもストレージの大容量化を目的としているわけではない。容量は同じであっても、高密度化が進むことでコスト抑制につながる可能性があるからだ。
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