学校や地方自治体を襲うランサムウェア攻撃【前編】
ランサムウェア被害校が「生徒のデータが漏れても身代金を払わなかった」理由
ランサムウェア攻撃者は、企業だけではなく教育機関や地方自治体も狙う。被害組織の一つが、米国の公立校区であるロサンゼルス統一学区だ。同学区は攻撃者からの身代金要求を断固拒否した。その背景にある信念とは。
米TechTargetは、2022年における毎月のランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃の報告や公開情報を追跡、記録してきた。同年9月は、教育機関や地方自治体に対するランサムウェア攻撃報告が盛んだった。本連載はその詳細情報を紹介する。
身代金は払わない――児童生徒のデータを公開されても屈しなかった訳
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教育機関がランサムウェア攻撃で受ける被害
2022年9月に米TechTarget編集部が追跡したランサムウェア攻撃報告および情報公開は、16件だった。その半数以上である9件が、教育機関や自治体を狙ったものだ。ロサンゼルス統一学区(LAUSD:Los Angeles Unified School District)への攻撃は、その代表例だと言える。同学区は米国屈指の規模を持つ公立学校区だ。同月第1月曜日のレイバーデー(労働者の日)前の週末に、ランサムウェア攻撃集団Vice Societyによる攻撃を受けた。その後LAUSDは休日が明けると授業を実施し、運営を再開した。
Vice Societyは2022年9月末、LAUSDから盗んだ500GBのデータをダークWeb(通常の方法ではアクセスできないWebサイト群)に公開したと発表した。このデータは児童生徒の個人識別情報(PII)、学業成績、懲戒記録、健康情報を含むという報道がある。データの流出を受けたLAUSDは、Vice Societyの身代金要求に応じないことを示し、以下の声明を発表した。
資金は児童生徒と教育のために使わなければならないという、われわれの信念は揺るぎません。身代金を支払っても、データを完全に復旧できる保証はないのです。われわれは不正で違法な犯罪組織に従うよりも、児童生徒のために公的資金を使った方がよいと考えます
後編は、ランサムウェア攻撃を受けた、その他の教育機関や自治体の被害を紹介する。
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