Herokuをやめて「Render」に乗り換えたくなる理由と注意点とはHerokuの「代替PaaS」を比較【第7回】

Salesforceは「Heroku」の無償プランを廃止した一方、Render ServicesはHerokuの競合である「Render」の無償プランを提供し続けている。Heroku無償プランからRenderへの移行は現実的なのか。利点と課題を整理する。

2023年07月28日 06時15分 公開
[Stephen J. BigelowTechTarget]

 SalesforceのPaaS(Platform as a Service)群「Heroku」が無償プランを廃止したことを受け、ユーザー企業は利用するPaaSの再検討を迫られている。ユーザー企業はHerokuの有償プランを契約するだけではなく、他のPaaSの無償プランに乗り換えることも可能だ。無償プランを用意しており、Herokuと似た機能を持つPaaSは幾つかある。

Heroku代替候補5.Render

 Render Servicesの「Render」は、Webサイトやアプリケーションの迅速な構築を支援するPaaSだ。静的なWebサイト開発やIaC(Infrastructure as Code:プログラムによるインフラ管理)、自動リソース割り当てなどの機能を搭載する。UNIX系OSのジョブ管理ツール「cron」のジョブを設定することも可能だ。

 Herokuを競合サービスとして捉えるRender Servicesは、Renderの応答の速さや料金の安さをアピールしている。ただしRenderで小規模なアプリケーションを稼働させたときと同等の応答速度が、必ずしも大規模のアプリケーションで得られるとは限らない。

 Render Servicesは、Herokuの無償プラン廃止に伴い、Renderのシェアを拡大させるべく態勢を整えている。RenderはかつてのHerokuのように、必要最低限の機能を無償で提供する。無償プラン「Individual」のユーザー企業は、Renderのインスタンス(仮想サーバ)を1カ月当たり500分利用できる。ただしデータ送信は100GBまでの上限があり、それを超えると追加料金が掛かることに注意が必要だ。


 第8回は、Vercelの同名PaaSを紹介する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news132.jpg

ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。

news103.jpg

なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...

news160.jpg

業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...