Salesforceが「Heroku」の無償プランを廃止したことにより、これまで無償プランを使っていたHerokuユーザーは、代替手段を検討しなければならなくなった。選択肢となり得るのが「CapRover」「Fly.io」だ。
SalesforceはPaaS(Platform as a Service)群「Heroku」の一部サービスで、無償プランを提供していた。同社がこれらの無償プランを廃止した今、これまで無償プランを利用してきたHerokuユーザーは、ある決断を下さなければならない。利用していたHerokuサービスの有償プランを契約するか、同等の機能を持つ別のPaaSに移行するかだ。後者を選ぶHerokuユーザーに向けて、候補を紹介しよう。
「CapRover」はクラウドサービスではなく、PaaSを構築するためのオープンソースソフトウェア(OSS)だ。Webサーバの管理システムを中核とする。「Python」「PHP」「Ruby」などのプログラミング言語で書かれたWebアプリケーションのサーバや、「WordPress」といったコンテンツ管理システム(CMS)で構築したWebサイトのサーバを、数回のクリックでデプロイ(配備)できる。
CapRoverはコンテナオーケストレーションツールの「Docker」やWebサーバの「nginx」、SSL証明書認証局の「Let's Encrypt」、リソースモニタリングツールの「Netdata」といった、さまざまなOSSを基にしている。CapRoverそのものもOSSであり、無償で利用可能だ。
Fly.ioの同名PaaSは、アプリケーションサーバをできるだけエンドユーザーの近くに配置し、より低遅延なアプリケーションを提供する。Amazon Web Services(AWS)が開発した「Firecracker」という仮想マシンモニター(VMM:仮想マシンの作成や管理を担うシステム)をベースにしている。
完全従量課金プランである「Hobby」を含む全プランで、最小構成(ストレージ256MB)の仮想マシン最大3つ、ストレージ3GB、アウトバウンド(外部への)データ転送160GBまでを無償で提供している。Hobbyを除くFly.ioの有償プランでは、メールサポートが付いた月額29ドルの「Launch」が最エントリープランだ。
第6回はRed HatのPaaS構築ソフトウェア「Red Hat OpenShift」の特徴を説明する。
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