IT業界は育児支援に力を入れ始めている。IT業界で活躍し続けるVMwareの女性幹部に、IT業界の育児に対する施策の変化と、自身が「ありがたい」と感じた育児支援施策を聞いた。
IT業界で活躍する女性を増やすためには、IT業界の企業の間で、女性が仕事と家庭を両立させやすくする取り組みが広がることが重要だ。働く母親としての経験を持つ、仮想化ソフトウェアベンダーVMwareの上級サイバーセキュリティストラテジスト、カレン・ウォーステル氏は、特に育児支援の重要さを説く。女性活躍を推進する企業は、どのような育児支援をすべきなのだろうか。
―― 女性が家庭を築きながらフルタイムで働き続けられるようにするためには、企業の支援が不可欠です。
ウォーステル氏 VMwareが実施している育児支援施策の中で、育児中の親にとってありがたいもの、そして現在の私にとってもありがたいと感じるものとして、休暇取得に融通が利くことが挙げられる。これは私が働く親だった頃とは対照的な施策だ。
私が子育てをしていた当時は、家族のための医療休暇はなく、育児休暇もなかった。水痘(水ぼうそう)を患った子どもの面倒を見たければ、自分の休暇と病気休暇を使い尽くすしかない。その結果、自分が病気のときは働くしかなかった。だからこそ個人の裁量で休暇を取得できることが大切だと考えている。「なぜ休暇を取るのか」と質問を受けることなく、個人の事情に合わせて休暇を取得できるようにする必要がある。
働き方については、在宅勤務を選択できるようにするだけではなく、望むならばオフィスで働けるようにするとよい。標準の働き方をオフィス勤務に戻す企業には、従業員が日中に利用可能な保育施設を確保してほしい。保育支援が重要なのは、子どもをオフィスに連れてきても世話してくれる場所があることにより、親の満足度が高くなる可能性があるからだ。
従業員に対して、企業は「この時間はわれわれがあなたを拘束しており、仕事に専念してもらう」「会社で働いている間は、家庭のことは持ち込まないように」と要求するのではなく、逆に従業員の「生活全体」を考える必要がある。その中で、従業員が仕事と家庭を両立させる方法について、従来の見方を修正することが重要だ。
第4回は、IT業界の課題である「従業員の燃え尽き症候群」についてウォーステル氏に聞く。
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