IT業界における女性活躍は、まだ十分に進んでいない。より多くの女性がIT業界で活躍することは「公平性の確保以上の意味がある」と、コンサルティング会社McKinsey & Companyは指摘する。それはどういうことなのか。
EU(欧州連合)27カ国において、STEM(科学、技術、工学、数学)およびコンピュータサイエンスなどのIT分野を学ぶ女子学習者の割合は、初等、中等教育から高等教育へ移るタイミングで下がる――。コンサルティング会社McKinsey & Company(以下、McKinsey)の調査レポート「Women in tech: The best bet to solve Europe's talent shortage」からは、こうした事実が分かった。
調査レポートでMcKinseyは、EUでは技術職において女性が占める割合は22%にすぎず、女性比率を増やすことが技術革新の推進に役立つと指摘。男女比率のいびつさを解消することは「公平性以上の意味を持つ。経済的な必要性だ」と説いた。
産業界、政府、教育機関の継続的な努力にもかかわらず、技術職に就く女性の数は、さまざまな理由から大幅に不足している。これまでもジェンダーギャップの解消に取り組むことが、スキル人材の不足を解消するために役立つと言われてきた。だが企業は、IT分野への女性進出を促進したり、必要な才能を持つ技術職の女性を見つけたりすることの難しさを感じている。
EUでは、2027年までに140万人から390万人の技術職人材不足が生じるとMcKinseyは推定。2027年までに技術職における女性比率が約45%まで引き上がる、つまり推定390万人の女性人材が技術職に就けば、技術職の人材不足を十分解消できると同社は考えている。
中編は、女子学習者のIT業界への就職を阻む“見えない壁”を紹介する。
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