「コンピュータサイエンス」の授業を受講する、ある女子生徒は、女性が「ITは近寄り難い」と感じるのには理由があると感じている。それは何なのか。
英国の大学入学資格「General Certificate of Education Advanced Level」(GCE A Level)の試験科目として「コンピュータサイエンス」を選択したら、クラスで女子生徒は自分だけだった――。そうした経験をした、英国の女子生徒ベラ・グリムジーさんの寄稿を紹介する。GCE A Level取得に向けた準備教育課程2年目のグリムジーさんが、コンピュータサイエンスの授業で女子生徒として感じた「違和感」とは何か。
IT業界に女性が少ない理由の一つは、親しみのないテーマに飛び込む不安を女子生徒が抱いていることではないかと思う。GCE A Level取得の試験科目を選ぶとき、一般的には賭けに出るよりも安全な方を選ぶのではないだろうか。
私が所属するクラスの男子生徒が、コンピュータサイエンスを学ぼうと思ったきっかけはゲームだった。彼らには、自分のコンピュータに最適なプロセッサとメモリを選べるようになりたいという動機があったのだ。彼らにとってコンピュータサイエンスは自然な選択であり、奇異ではない。だが女子生徒がコンピュータサイエンスを選ぶと目立つ。
女子生徒がコンピュータサイエンスの世界に進みたい、そこにとどまりたいと思うためには、この分野が女子生徒にどう見えるのかがとても重要だ。少なくとも私には、コンピュータサイエンスは男性を対象としているように見える。
コンピュータサイエンスの授業で使う教科書や例題のどれも、男性を前提としているように感じる。そこには違和感があり、自分は一人のコンピュータサイエンティストというより、「女性のコンピュータサイエンティスト」なのだと意識させられる。こうしたことが女子生徒にとって乗り越えなければならないハードルを増やす。本来はできるだけ平たんな道にすべきだと思う。
女子生徒がコンピュータサイエンスを選びやすくなる変化がある。私の学校の下級生はコンピュータサイエンスを女性教員に教わっている。そのおかげで女子生徒は、以前よりもコンピュータサイエンスという科目の選択に前向きになっているようだ。その教員がそうしたように、女性でもコンピュータサイエンスの世界に足を踏み入れるのが自然に感じられるようになった。
第4回は、コンピュータサイエンスを学び続けてきたグリムジーさんが、大学ではコンピュータサイエンスを専攻しない理由を紹介する。
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