教育機関が女子学習者にSTEM分野の仕事の面白さを伝えることは、STEM分野で活躍する女性を増やす上で重要な取り組みだ。ただしそれだけでは十分ではない。何をすべきなのか。
EdTech(教育とITの融合)ベンダーRMのグローバル事業担当ディレクター、ヘレン・ウォーカー氏は、STEM(科学、技術、工学、数学)領域の仕事でキャリアを切り開いてきた女性だ。社会的・文化的な性差に対する偏見「ジェンダーバイアス」を解消し、STEM分野で働く女性を増やすために、教育機関は何をすべきなのか。ウォーカー氏に寄稿してもらった。
「STEM分野でキャリアを築く面白さ」を、女性に向けて実体験を交えて伝えることは、「STEM分野における女性のキャリア構築啓発活動」の第一歩だ。これは非常に重要な取り組みであることは疑いようがない。それと同じくらい重要なのは、既にSTEM分野でキャリアを追求し始めている女性をつなぎとめることだ。STEM分野の企業は大抵、
といった取り組みをしている。これらに加えて「STEM分野の職場にはインクルージョン(包括性:誰も取り残さないこと)がある」と女性に感じてもらう必要がある。そうでなければ、STEM分野の職場に女性のための道を作り出そうとしている人々の努力はたちまち枯れ、啓発活動は振り出しに戻る可能性がある。
STEM分野の企業は、「現在」と「未来」の女性従業員の声に耳を傾ける必要がある。職場を「確実に人材を育てられる場所」にするために、何が必要かを把握するためだ。
職場は、たとえ無意識であっても女性が差別される場であってはならない。こうした環境にしないためには、
といった取り組みが重要だ。
教育機関が「やりがいのあるSTEM分野の仕事」を女子学習者に薦めるのであれば、まずは教育機関自身が、STEM分野に進もうとする女子学習者を押しとどめている障壁を打ち破る必要がある。一方でSTEM分野の企業は、障壁を取り払った実績や証拠を示すべきだ。これはジェンダーだけにとどまらず、あらゆる種類のダイバーシティー(多様性)にかかわる。
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