2020年、Citigroupで9億ドルの誤送金問題が発生した。その原因は何だったのか。同様の誤送金を防ぐために、金融機関が取り得る策とは何なのか。
金融大手Citigroupが化粧品会社Revlonの債権者に、誤って9億ドル(約1310億円)近くを送金する事件が2020年に発生。Citigroupは、誤送金した額のうち戻らなかった5億400万ドル(約734億円)の返還を求める訴えを起こした。この問題を巡って連邦控訴裁判所は2022年9月8日(現地時間)、債権者は誤送金された資金を返還すべきとの判決を下した。
2021年の第一審で、判事は「未回収分の5億400万ドルについて、債権者が返還する必要はない」との判決を下していた。誤送金は「最終的かつ完全な取引であり、取り消しの対象にならない」との判断だった。だが連邦控訴審の一審判決は覆り、今回Citigroupが逆転勝訴した格好となった。
この誤送金を招いたのは、Citigroupのシステムのアップグレード作業で発生した人為的ミスだったという。同社は、このようなミスが再発する可能性を減らすための措置を講じていると主張する。このミスが判明した際、同社のCEOジェーン・フレーザー氏は「これは自ら招いた重大な過失であり、手作業のプロセスをもっと自動化する必要があることの証拠だ」と述べていた。
さまざまな銀行が手作業の廃止を急務として、「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)といった自動化技術に積極的に投資をしている。ソフトウェアで反復作業を自動化することで、従業員はより本質的な活動に集中できるようになり、時間の節約とミスの削減が可能になる。
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