IT監査を円滑に乗り切る5つのコツ監査人は良き友?

監査が大好きなIT管理者はいないだろう。大抵は面目をつぶされ、油を絞られることになるからだ。そこで、監査対応をできるだけ円滑に進めるための5つのコツを紹介しよう。

2007年12月19日 04時45分 公開
[Mike Rothman,TechTarget]

 以前は、中堅・中小企業(SMB)は概してコンプライアンスの問題を無視していられた。HIPAA法(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)やグラム・リーチ・ブライリー法(GLBA法)といった法規制は、医師や銀行などを対象としていた。SOX法(サーベンス・オクスリー法)も、上場企業のみに適用されるため、ほとんどの非上場のSMBには無縁だった。

 しかし、状況は変わった。PCI DSS(Payment Card Industryデータセキュリティ標準)の登場に伴い、コンプライアンス対応は、すべての業種、規模のSMBの共通課題となっている。

 今では、小規模な企業も面目をつぶされる儀式である監査を受ける。監査は非常に多くの場合、「自分たちがやっていることが分かっていない」と監査人に油を絞られて終わる。そこで当然のことながら、多くのSMBは監査人を目の敵にし、彼らから問題を隠そうとする。

 だが、監査に対応するためのもっといい方法がある。以下に、監査対応をできるだけ円滑に進めるための5つの確実なコツを紹介しよう。

1. 監査人を良き友と考える

 こう話すと顧客のほとんどはあっけに取られ、ついにわたしの頭がおかしくなったと考える。だが、これは間違いなくコツの1つだ。監査人を敵に回すべきではない。彼らはあなたと同じ目的を持っている。それは会社の資産を守ることだ。もちろん、彼らにはそうする責任があり、それを果たすことが彼ら自身を守ることになる。

 それが分かる好例がArthur Andersenだ。このコンサルティング会社はもう存在しない。Enronの粉飾会計事件に関連して、米国政府が監査業務の怠慢でやり玉に挙げたからだ。どの監査法人もArthur Andersenの二の舞は避けたいと考えている。そこで彼らはあなたの会社が正しいことをするように、掘り下げて幅広くチェックを行う。あなたの会社が不正を行えば、彼らも責任を問われるからだ。

 従って、最初の一歩はあなたと監査人が同じ船に乗り、同じ方向に進んでいることを理解することだ。進む方法については考えが違うかもしれないが、同じ目的地を目指していることに変わりはない。

会員登録(無料)が必要です

関連ホワイトペーパー

コンプライアンス | SOX法 | 内部統制 | ITガバナンス


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 ストライプジャパン株式会社

ECサイトの売り上げを守り、不正決済の被害を抑える方法

ECサイトへの「3Dセキュア2.0」の導入が義務化され、多くの企業が対応を進めているが、対策を間違えると売り上げの低下を招いてしまう可能性がある。不正利用を抑止しつつ、売り上げを守るにはどうしたらよいだろうか。

市場調査・トレンド レッドハット株式会社

「プラットフォームエンジニアリング」調査レポート:利点・課題・未来像を詳説

ソフトウェア開発の主流となりつつある「プラットフォームエンジニアリング」。本資料で紹介する調査レポートでは、プラットフォームエンジニアリングの現状や生成AIとの関わり、将来のあるべき姿について言及している。

製品資料 NHN テコラス株式会社

AWSのコスト最適化と運用効率化を両立、6500契約を超える総合支援サービスとは

クラウド活用を成功させるためには、コストの最適化と運用効率の向上を両立させることが重要といえる。そこで注目したいのが、Amazon Web Services(AWS)のコスト削減や技術支援といった機能を備えているサービス群だ。

製品資料 NHN テコラス株式会社

クラウドへの移行を成功に導くには? 3つの移行フェーズとアプローチを解説

オンプレミスからクラウドへの移行を検討しているが、「進め方が分からない」と悩む企業は少なくない。本資料では、移行の全体像や段階ごとの移行ステップなどを解説し、初めてのクラウド移行でも安心して進められるサービスを紹介する。

事例 アルテリックス・ジャパン合同会社

設計品質の向上と設計時間の大幅短縮を実現、DXを加速させるAI基盤の実力

東洋エンジニアリングは、2019年にDXoT推進部を立ち上げ、全社横断的なDXに取り組んでいる。そこで従来、一部の部門で活用されていたAI基盤を他の部門に展開することで大きな成果を生み出したという。同社の取り組みを詳しく解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...