悪化する男性のメンタルヘルス――彼を追い詰めるあの固定観念結末は予想通り……

英国男性の多くがコロナ禍によってメンタルヘルスの悪化に苦しんでいるという。彼らを追い詰めているプレッシャーや固定観念は、日本人にも共通するものだった。

2022年01月21日 08時00分 公開
[Umer SulemanComputer Weekly]

 コロナ禍によるロックダウンによって、男性の62%がストレス、不安、怒り、睡眠障害、うつ病に苦しむことになった。パンデミックの副作用として失業、貧困、経済的困難が進むにつれ、この割合は高まる可能性が高い。

 原文執筆当時、英国は「Men's Mental Health Month」(男性メンタルヘルス月間)の最中であり、男性の精神的な健康に対する経済と金融の影響をFinTechによってどの程度減らせるかについての議論が始まったところだった。

 以下の調査は、もっと悲惨な結果になる可能性を示唆している。

プレッシャーに追い詰められる男性

iStock.com/Photodjo

 BMJ(旧称British Medical Journal)の調査によると、2008〜2010年の不況時代、失業者が10%増加するたびに男性の自殺者数が1.4%増加したという。1990年代半ば以降、男性自殺者数は全体の4分の3を占めている。

 経済的に苦労していることを認めるのは極めて難しい。男性の多くは一家の稼ぎ手であり、大黒柱であり、家族の保護者だという固定観念が依然として残っている。HuffPostの調査によると、男性の31%は家族の重要な稼ぎ手であるというプレッシャーを感じている。同様のプレッシャーを感じている女性は19%だ。

 この調査によると、英国男性のほぼ10%(230万人)が経済的不安の直接的な結果としてパニック発作を起こしているという。男性の14%は金銭上の不安による睡眠への影響を感じている。金銭への懸念が不安につながることから、そうした懸念を無視している男性も12%いる。

 こうした時代、男性は弱く、金融システムが付け込むのはあまりにも簡単だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news171.jpg

日本テレビの運用型テレビCM「スグリー」、プレミアパートナー企業9社を認定
日本テレビは、テレビCM枠をWebで購入できるサービス「スグリー」のプレミアパートナー9...

news092.jpg

ウェルチのCMOが語るリブランディング 脱「ぶどうジュースの会社」なるか?
Welch’s(ウェルチ)が製品の品揃えを拡大する中で、CMOのスコット・ウトケ氏はブランド...

news085.jpg

OpenAI、Google、etc. 第59回スーパーボウルで賛否が分かれた“微妙”CMたち
スーパーパーボウルLIXでは、有名人やユーモア、政治を前面に押し出した広告について、賛...