非常に多くのSAP顧客がS/4HANAへの移行に際して困難な状況を経験しているという。SAP顧客は何に悩んでいるのだろうか。
UK & Ireland SAP User Group(UKISUG)によると、非常に多くのSAP顧客が「SAP S/4HANA」への移行に支障を来している。
UKISUGのメンバー企業116社を対象とした調査によって、61%のメンバー企業がデータ管理に起因するビジネスプロセスの自動化の遅延に悩まされており、3分の2のメンバー企業がデータの問題によって「SAP ECC 6」からS/4HANAへの移行が妨げられていることが明らかになった。
SAP顧客固有の問題も浮き彫りになった。
メンバー企業の69%が複数のプラットフォームにデータが分散しているという問題に直面し、64%はデータの正確性と一貫性の問題に悩んでいる。
メンバー企業の92%はデータ戦略を既に持っているか、計画中だと答えた。そのうち46%は自社で、42%はパートナー、12%はSAPの協力下でデータ戦略を立案しているという。
SAPに協力を仰いでいる企業は、合併や買収が関係する複雑な事情を抱えているか、何らかの戦略的なシナリオを持っているのだろうとクーパー氏は推測する。「普通なら既存のパートナーに相談する。S/4HANAのデータを専門とするニッチなプロバイダーもある」
メンバー企業の多くが、データの効果的な利用を妨げている要因としてスキル不足(41%)と技術不足(41%)を挙げている。
UKISUGのポール・クーパー氏(会長)は言う。「多くの企業はビジネスプロセスを自動化する機会としてS/4HANAへの移行やデジタルトランスフォーメーションを捉えている。だがデータ管理の課題がそれを遅らせている」
「S/4HANA移行に当たっては、従来のトランザクションデータが新しいシステムで必要かどうかを検討する必要がある。データの品質も重要な検討事項だ。移行前に既存データをクレンジングしなければ、S/4HANAの価値を最大限に得ることはできない」
「ERPを稼働させるとデータのことは忘れがちだ。だが、そのデータから価値を引き出すことが重要だ。S/4HANAへの移行ではデータが最大の課題になる。どのデータを移行するか、堅牢(けんろう)なアーカイブシステムを設定しているかどうかといったことを検討しなければならない」
76%のメンバー企業が、直近12カ月でビジネスインテリジェンスとデータ分析のニーズが高まっていると答えた。ビジネスインテリジェンスの最重要ニーズは、
だった。
「所有するデータの量よりも、データを使って何ができるかが重要になっている。SAPシステムは運用と顧客に関する洞察の宝庫だ。洞察を重要視する企業はスキルと技術に投資している」(クーパー氏)
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