SSDとHDDの容量単価の差は縮まってきている。一方でストレージを選定する際は、容量単価以外も比較することが欠かせない。SSDとHDDの具体的な比較ポイントと、それぞれの特徴とは。
以前からSSDベンダーは、NAND型フラッシュメモリの価格は長期的に下落し、SSDは容量単価でHDDと競争できるようになると予測してきた。実際、NAND型フラッシュメモリの価格は下落してきた。この傾向は、企業にとっても一般消費者にとってもうれしい傾向だ。ただしSSDとHDDのコストを比較する際は、電力やメンテナンスをはじめとした容量以外の要素にも目を向ける必要がある。
特に大容量のストレージを必要とする企業にとって、1GB当たりの価格は購入する際の重要な要素となる。容量単価に影響する要素の一つとして、記録密度に注目するのもいいだろう。例えばPure Storageのように、高密度のSSDを独自に製造することを重視しているストレージベンダーもある。
容量単価以外には、エネルギーコストやメンテナンスコストを含めた総所有コスト(TCO)を考慮すべきだ。例えば、HDDは回転ディスクといった可動式の部品を搭載しているため、一般的には消費電力量がSDDより高くなる。読み書き時には数ワット相当の電力を必要とする他、アイドル時も電力を消費する。一方でSSDは、動作時にHDDと同等かそれ以上の電力を消費する場合があるが、通常はアイドル時の消費電力量がHDDよりも少ない。
一般的にSSD一台当たりの初期費用はHDDよりも高くなる傾向にあるが、メンテナンスコストはHDDよりもSSDの方が抑えられる傾向にある。クラウドストレージベンダーBackblazeは、運用する数十万台のSSDおよびHDDについて、信頼性(システムが提供できるサービスの継続性)に関するデータを公開している。2023年半ば時点でのSSDの年間故障率(AFR)は0.9%であり、HDDのAFRは1.45%だった。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
SSDの大容量化や価格競争力の向上により、「SSDオンリー」という選択肢が現実味を帯びつつある。しかし、HDDが完全に不要になるとは断言できない。その理由は何か。
昨今は企業で扱うデータが増加傾向にある上、働き方の変化などにも対応する必要性から、オンプレミスのファイルサーバをクラウドに移行する企業が増えている。そこで、移行先を選ぶポイントやセキュリティ対策について、動画で解説する。
ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。
職員700人が利用する部門システムの刷新を決断した大阪回生病院では、運用のシンプル化に期待して、HCIの導入を検討する。同病院がHCIに求めた要件とは何か。そして、この大規模移行プロジェクトを成功裏に完了できた理由に迫る。
長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。
Hyper-Vは「次の仮想化基盤」になり得るのか 有識者の本音を聞く (2025/3/14)
「生成AI」の自社運用に“ちょうどよいサーバ”の賢い選び方 (2025/3/12)
大量データのクラウド化を阻む「検索課題」を解決した東急建設の秘策とは (2025/2/25)
AI時代のデータ活用を阻む「ストレージ」の壁 悩める運用担当者の救世主とは? (2025/1/21)
生成AI時代の「コスト、電力、スペース」問題 救世主となるストレージはこれだ (2025/1/20)
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「AIエージェント」はデジタルマーケティングをどう高度化するのか
電通デジタルはAIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI」の大型アップ...
「政府」「メディア」への信頼度は日本が最低 どうしてこうなった?
「信頼」に関する年次消費者意識調査の結果から、日本においても社会的な不満・憤りが大...