Interop Tokyo 2010リポート
Interopで見た、クラウド時代に求められるセキュリティ製品
2010年6月7日から11日の5日間、千葉県・幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2010」。本稿では、展示会で初お披露目された製品など、セキュリティの観点で注目した企業の展示を紹介する。
6月7日から5日間にわたって開催された「Interop Tokyo 2010」は、「クラウドコンピューティング」「次世代ワイヤレス」「グリーンICT」など、ネットワークに関連した話題の技術がキーワードとして掲げられていた。本稿では、セキュリティの観点から、それらの技術をインフラ部分で支える各社注目の製品を紹介したい。
社内外でセキュアなWeb環境を提供するシスコシステムズ
Interop Tokyo 2010の中でも、富士通グループ、NTTコミュニケーションズらと並びひときわ大きなブースを構えていたがシスコシステムズだ。同社では、5月に開催された情報セキュリティEXPOでβ版として展示していた「AnyConnectセキュア・モビリティ ソリューション」を、今回は正式版として披露した。
AnyConnectセキュア・モビリティとは、シスコがモバイルワーカー(在宅勤務など社外で業務をする従業員)を抱える企業向けに提唱するセキュリティコンセプト。既存のWebセキュリティアプライアンス「IronPort WSA」、ネットワークセキュリティアプライアンス「ASA5500」、リモートアクセス用クライアントソフトウェア「AnyConnect」で構成され、エンドユーザーには接続場所に左右されない常時セキュアなWebアクセス環境を、セキュリティ管理者にはユーザーのアクセス環境別にポリシーを設定する必要のない包括的なポリシー運用機能を提供する。
利用イメージはまず、AnyConnectが、ユーザーのPCが社内/社外どちらからWebアクセスを試みているのかを識別。社外であれば強制的にIronPort WSAを介したVPN接続を実行させる。その際、ユーザー側では特別な設定などは必要ないため、VPN接続しているかどうかを意識せずにマルウェア攻撃などの外部脅威から保護された安全なWebアクセスができるという。Webアクセス中には、ASA5500が持つファイアウォール、VPN、IPS(侵入防止)、コンテンツセキュリティなどの機能により、継続的なセキュリティ保護が実現される。
「パフォーマンスかセキュリティか」クラウド時代の難題に新技術で挑むソニックウォール
ソニックウォールは、6月7日に発表したセキュリティプラットフォーム「Project SuperMassive」を用いたプロトタイプを展示していた。Project SuperMassiveは、同社が既存のITネットワーク能力の限界に挑み、約3年の月日をかけて開発した技術の総称。最高40Gbps超のスループットで、2700種以上のアプリケーションの検出およびコントロール、侵入防止、マルウェアの遮断が可能だという。急増するリッチメディアやソーシャルメディアアプリケーションに、ネットワークのパフォーマンスを落とすことなく対応する。
アーキテクチャには、同社のRF-DPI(Reassembly-Free Deep Packet Inspection)エンジンや、カビウム・ネットワークス(Cavium Networks)製の大規模マルチコアプロセッサを採用。展示されていたプロトタイプでは、96コアと384コアを搭載していた。今後は最大1024コアまで拡張する計画としている。
また同社では、新製品として大企業向けのセキュリティアプライアンス「NSA E8500」および、中小企業向けUTM(統合脅威管理)「NSA 2400MX」も出展。いずれも2010年度中にリリース予定としている。
社内の全通信をパケットレベルで取得するネットエージェント
ネットエージェントは、社内ネットワーク上でやりとりされた全通信を記録・管理可能な「PacketBlackHole」を出展。多くのデモ展示を用意し、その効果を紹介していた。
記録された情報は、日時、期間、メールアドレスなどを指定して検索可能。条件に該当したログがリスト表示される。検索結果は、電子メールでいえば添付ファイルの中身など、詳細部分まで確認できる。アドレスにHTTPSが含まれるSSL暗号化ページにも対応しており、データベースには復号後の情報を保存するという。
「昨今の情報漏えい事件の原因は、内部(従業員)からの情報流出がほとんど。企業側で常に監視しているということを社内に周知させることで、私的メールや、退職直前の社員が転職先の同業他社に社内の競合商品の情報が入ったファイルを不正に送信するなどの行為を抑制できる。また、もしもインシデントが発生してしまった場合にも、ログはすべて保存されているので過去に不正がなかったかどうかを調査できる」(会場の説明員)
モバイル通信事業者のネットワークセキュリティに高いコストメリットで対応するフォーティネット
フォーティネットは、Interop開催中の6月9日に最大120Gbpsのファイアウォールを備える「FortiGate-3950シリーズ」を発表。同シリーズのアプライアンス製品として「FortiGate-3950B」を展示していた。
FortiGate-3950Bは、携帯電話の通信事業、コンテンツ配信、SNSサイト運営など、高速データセンターやネットワークゲートウェイで高いパフォーマンスが求められる企業向けに最適とする製品。最大5つのIPSモジュール「FMC-XD2」および4つの64GバイトSSDを搭載でき、ログの蓄積、WAN最適化などいずれもコストメリットの高い性能を提供するという。
また、同社ではUTM製品「FortiGate」用の無線アクセスコントローラー「FortiAP-220A」も参考出展。FortiGateと組み合わせて利用することで、例えばオフィス内にFortiGateを1台、FortiAP-220Aを4台設置した場合、FortiGate5台分を用意するのと同様のセキュリティ機能を実現するという。FortiAP-220A自体は暗号化や認証機能などは持たず、アクセスポイントとして利用する。必要な設定はすべてFortiGate側で行う。日本での販売は未定としたが、今後パートナー企業と相談し、販売方法などを検討していくという。
仮想化環境のセキュリティ確保と安定した運用管理を実現するチェック・ポイント
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズでは、VMware ESXの仮想化環境において、実環境と変わらないセキュリティレベルを提供する「VPN-1 VE」を展示していた。同社が物理環境向けに提供しているファイアウォール技術を搭載しており、数百種類のアプリケーション、プロトコル、サービスを検査できる。
概念としてはサーバ仮想化と同様で、1台のサーバ上で複数のファイアウォールを動作させることができる。コスト削減を図れるほか、Webサーバ、DNS、メールサーバなど、ほかのハードウェアと同じ仮想サーバ上で統合管理することも可能。冗長化技術は、同社の「Cluster XL」またはヴイエムウェアの「VMware HA」から選択できる。
Cluster XLとVMware HAの機能比較は以下の通り。
| Cluster XL | VMware HA | |
|---|---|---|
| 切り替え時のセッション維持 | ○ | × |
| 切り替え時間 | 0.1秒 | 約1秒 仮想サーバの台数による |
| コスト | △ ライセンス×2台分が必要 |
○ 既存環境に共有ディスクが存在する場合は、安価に構築可能 |
| 障害監視 | ○ ハード障害、プロセス監視が可能 |
△ ハード障害のみ |
| 負荷分散 | ○ アクティブ構成可能 |
△ VMware DRS機能 |
| そのほか仮想サーバの切り替え | × ファイアウォールのみ対応 |
○ VMware機能にて実装 |
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