プロジェクト管理ツール紹介:ビーイング編
プロジェクト完了時期の短縮化を支援するプロジェクト管理ツール「BeingManagement2」
メンバーが複数タスクに携わることが多い中、作業負荷が高くなるとタスクの管理が難しくなり、すべてのプロジェクトに影響して大幅な遅れが生じることがある。
“悪いマルチタスク”を改善し、プロジェクト完了時期の短縮を実現
プロジェクトを決められた納期に間に合わせることは、その成功の絶対条件といえる。しかし、多くのプロジェクトでは遅延が発生するのが現状であり、このことがプロジェクトの品質低下や利益減少につながる場合も少なくない。プロジェクトの遅れを引き起こす原因について、ビーイングの営業部TOC特販課 課長の工藤 崇氏は「プロジェクトメンバーに“悪いマルチタスク”を行わせていることが、プロジェクト遅延の大きな原因になっている。その背景には、その企業の適正な同時実行数以上にプロジェクトを投入し過ぎていることがある」と指摘する。
工藤氏によると“悪いマルチタスク”とは、例えば「3つのプロジェクトを3人のメンバーで進める場合、1人のメンバーが1日ごとに違うプロジェクトのタスクに着手していくというような業務の進め方」を指すという。この場合、すべてのプロジェクトのタスクがほぼ同じタイミングで終了するものの、別のメンバーがタスクに着手するまでに時間がかかり、結果的にプロジェクト全体の大幅な遅れを招くというのである。
すべてのプロジェクトの遅れを防ぐために、工藤氏はこうした“悪いマルチタスク”を削減することが重要であり、それを実現するためのプロジェクト管理ツールとして同社が提供しているのが「BeingManagement2」だと説明する。今回はビーイングのBeingManagement2を紹介する。
すべてのプロジェクトを一元管理
BeingManagement2は「CCPM(クリティカルチェーンプロジェクトマネジメント)」というプロジェクト管理手法に対応しているプロジェクト管理ツール。CCPMは、イスラエルの物理学者であるエリヤフ・ゴールドラット博士が開発した経営手法「TOC(Theory Of Constraints:制約条件の理論)」の考えに基づき、全体最適の視点から開発されたプロジェクト管理手法である。
CCPMでは、まず組織全体で実行するプロジェクト数を適正数に保つことで、悪いマルチタスクを削減して、プロジェクトの完了時期を大幅に短縮させる。各プロジェクトの計画段階では、クリティカルチェーン(納期を決めるタスクのつながり)を特定し、納期を守るためのバッファ(安全余裕)を配置することで、プロジェクトの期間短縮を実現する。 また実行段階では、プロジェクト固有の変動性や不確実性に対応するため、進ちょく状況に応じた最適なリソース配置を行う。工藤氏は「マルチプロジェクト環境の企業では、少なくても、現時点でかかっているリードタイムの25%はカットできる」と説明する。
BeingManagement2の「プロジェクト一覧」画面では、すべてのプロジェクトの情報を一覧できるだけでなくプロジェクトメモの収集も可能で、プロジェクトごとに報告された関連情報を一括収集して、現場からのフィードバックとして把握できる。
さらに、プロジェクトメモと連動した「傾向グラフ」も確認できる。傾向グラフでは、プロットされた点の動きやグラフの傾きから、納期に影響を及ぼす遅延の早期発見と対策実行、および遅延の原因分析と改善策の検討に活用できる。これにより、プロジェクトの改善ポイントを明確にして、それに応じた対策を実行するとともに、CCPMによるプロジェクトのPDCAサイクルを効果的に回す仕組みを定着させて、継続的改善を図ることが可能だ。
また「プロジェクトステータスグラフ」画面では、クリティカルチェーンの進ちょく率と、遅延する可能性(バッファ侵食率)を示す2軸の表が表示され、複数プロジェクトの状況がリアルタイムで確認できる。
ネットワーク図でゴールから逆算して工程を作成
ここからは、プロジェクトにおけるPDCAサイクルの流れに沿って、BeingManagement2の機能を見ていく。
まず、プロジェクトの計画(Plan)フェーズでは、プロジェクトのODSC(目的・成果物・成功基準)をメンバーや関係者と検討し、基本情報として設定する。プロジェクトのゴールを最初に定義して共有することで、イメージの相違を防ぎ、プロジェクトメンバーや関係者が一体となってプロジェクトを進められる環境を構築する。ゴールが設定できたら、「ネットワーク図」機能を活用して、そのゴールを達成するために必要なタスクをプロジェクトの完了から開始に向かって順に洗い出していく。
BeingManagement2では付せんのような感覚でネットワーク図を作成・閲覧することができ、各タスクには「作業内容」「所要日数」「リソース」「関連ファイル」「URLリンク」「メモ」などが記載可能となっている。また、タスクを階層化して定義することもでき、プロジェクトの進行状況に応じた計画が作成可能だ。
一般にプロジェクト管理ツールを使用する際には、まずガントチャートを作ることから始めることが多いが、BeingManagement2ではネットワーク図の作成に重点を置いている。特に、ゴールから逆算して工程を計画することで、必要なタスクだけを洗い出し、それらの依存関係を明確にして、プロジェクトメンバーや関係者にプロジェクトの段取りや業務の進め方を効率よく伝えられるようになるという。
また、BeingManagement2にはガントチャート機能も備えられており、ネットワーク図とシームレスにリンクしているため、ガントチャートとネットワーク図を1つの画面に表示させ、直感的な操作で計画を作成できる。
次に、作成したガントチャートを基に「リソース別ビュー」によって、リソースごとの負荷状況を確認することができる。また、特定のリソースに負荷が掛かっている場合は「リソース山崩し設定」機能により、リソース全体もしくは特定リソースの負荷を平準化することができる。さらに「チェーン別ビュー」によって、そのクリティカルチェーンを特定してバッファを配置する。プロジェクトの終了時刻をチェックして、もし期限内に完了していない場合は、各タスクの所要時間やタスク間の依存関係を見直し、修正することができる。
残日数とバッファの傾向グラフから危険度を察知
プロジェクトの実行フェーズでは「進ちょく率」ではなく、「残日数」でプロジェクトの進ちょくを入力していく。ガントチャートの残期間一括入力を利用して、「実行中タスク」「終了タスク」の残日数を入力すると、「自動リスケジューリング」機能によってガントチャートが再調整される。
また、ガントチャートでは「プロジェクトバッファ」「合流バッファ」「マイルストーンバッファ」の色(赤・黄・緑)やその消費率をチェックすることで、プロジェクトの状況を一覧することができる。さらに、残日数の入力を受け、プロジェクトの「傾向グラフ」(横軸:プロジェクト進ちょく率、縦軸:バッファ消費量)が表示される。この傾向グラフでレッドゾーンにプロットされると、プロジェクトの遅延が生じていると判断できる。プロットされた点を選択すると、それに対応したプロジェクトメモが表示され、プロジェクトメモには、「現状」「課題」「相談事項」「リスク」「遅れの原因」などが記載可能となっている。
よりマルチプロジェクトに対応する製品を投入予定
BeingManagement2にはサーバ版とスタンドアロン版の2つが用意されており、サーバ版は最小構成で10ユーザーから導入が可能。スタンドアロン版の参考価格は、1ユーザー15万円(保守費別途)となっている。現在、製造業やIT業、建設業を中心に導入が進んでいるという。
同社では、今後も引き続き機能強化を図っていく方針。工藤氏は「例えば、全プロジェクトの最適化を支援するパイプラインマネジメント機能やリソースマネジャー向け機能などの拡充を検討している」と説明する。また、操作性をさらに改善し、次回はメジャーバージョンアップ製品を投入する予定だという。さらに同社は2010年6月にBeingManagement2の英語版をリリースしているが、「世界各国のTOC専門のコンサルタントを通じて、積極的に海外市場の開拓も進めていく」(工藤氏)と、海外展開にも意欲を見せている。
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