事前に策定した災害復旧計画のテストを定期的に実施している企業は多い。しかし、その実施状況や関心の度合いは企業規模によって異なる。
エンドユーザーIT部門を対象に行われた災害復旧(DR)に関する調査によると、少なくとも調査対象となった組織の多くは、DR計画を定期的にテストしている。例えば、米TechTargetが2009年3月に行った「DRテストに関するスナップショット調査」では、「調査した企業139社の59%が定期的にDRテストを実施しており、そのうちの65%は少なくとも年に2回DRテストを実施している」と回答した。
このようにIT部門のDRテストへの関心は高いものの、サービスプロバイダーがDRテストで売り上げを見込めるかどうかは、ターゲットとする顧客に大きく依存する。中小企業向けにサービスを提供するソリューションプロバイダーの多くは、ほとんどの顧客がDRテストに興味を示さないと述べる。だが、大企業向けにサービスを提供するプロバイダーによると、DRテスト関連のビジネスは活況を呈しているという。
「こうした2つのセクタ間の違いは理解できる」と話すのは、米Toigo Partners InternationalのDR専門家、ジョン・トイゴ氏だ。「企業が大きくなればなるほど組織は複雑になり、事業継続に向けて厳正になる必要が生じる」と同氏。一方、小さな会社は「たとえクリティカルなデータがUSBキー1つで十分間に合うにしても、DR計画の立案すらしようとしない。糸ようじ(を使うの)と同じだ。やるべきだと分かっていながら、なかなか実行しない」と同氏は語る。
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