重要データには「3要素認証」も
面倒でもパスワード定期変更はやはり必要? ロシアハッカーが12億アカウント乗っ取り
12億個のアカウントが乗っ取られるという前代未聞の事件が発生した。セキュリティ脅威の拡大で、2要素認証の徹底や定期的なパスワード変更などの対策が求められる可能性がある。
米Hold Securityによると、ロシアのハッカー集団が2014年8月上旬に4万2000件のWebサイトから12億個にも上るユーザー名とパスワードの組み合わせを盗み出したという。これは驚異的な数だ。この情報漏えいのニュースは、米Black Hat主催のセキュリティカンファレンスのさなかに飛び込んできた。カンファレンスでは、このニュースに関する話題で持ちきりだったのは言うまでもないだろう。だが、10億強という数値を伴う情報漏えいのニュースは、最高情報責任者(CIO)にとってどのような意味があるのだろうか。
最大でネット人口の3分の1のパスワードが盗難?
問題の規模が大きいほど注目が集まるのが世の常だ。「この数値が正確なものだとすると、全インターネット人口の6分の1~3分の1に当たるユーザーのパスワードが盗まれたことになる」とロナルド・ブロー氏は指摘する。同氏は、国際法律事務所Haynes and Booneでプライバシーとデータセキュリティグループのトップを務めている。ブロー氏は、鉄は熱いうちに打てという。この事件が注目を集めている間に、CIOは、企業の上層部と従業員が従来よりも高いセキュリティ標準を守るように働き掛けるべきである。より優れたテクノロジーを求めて、セキュリティコンプライアンスを強く主張するなら今がチャンスだ。
まず取り組むべきは、自社Webサイトの認証システムのアップグレードだ。
「静的な2要素認証システムが自社のWebシステムにとって十分かどうかをCIOは検討し始める必要がある」とブロー氏はいう。また、アクセス可能な機密性の高いデータの認証は3要素認証に切り替えるよう企業に警鐘を鳴らしている。3つ目の要素は動的なものにすることを推奨している。これはオンラインバンキングを利用している多くのオンラインショップで採用されているモデルだ。例えば、未認証のPCからWebサイトにログインした場合、ユーザーは携帯電話の番号かメールアドレスを入力することが求められる。必要な情報を入力すると、ユーザーの手元にはSMSかメールでトークン番号が届く。ログイン画面では、ユーザー名とパスワードに加えて、このトークン番号の入力が必要になるという仕組みだ。
2要素認証を使用し続ける場合、IT部門はユーザーに対して「複雑なパスワードの使用」と「パスワードの定期的な変更」の徹底を求める必要がある。セキュリティ侵害に対して最も脆弱なのは、複数のアカウントで同じユーザー名とパスワードの組み合わせを使用しているユーザーだ。ユーザー名とパスワードの組み合わせを1回盗めば、全てのアカウントにアクセスできるようになる。乗っ取りに遭わないレベルのパスワードを考えるのに四苦八苦するユーザーもいるだろう。そのようなユーザーは、アプリケーションやWebブラウザーを活用できる。ランダムにパスワードを生成するシステムを備えたパスワード暗号化アプリケーションやWebブラウザーは山ほどある。
このようなセキュリティ強化を要求することは、企業がある程度のレベルの保護を確保する上で欠かせない。積極的なセキュリティ対策の体制を整えた最先端を行く企業であっても、パッチを適用して保護する作業を繰り返す「いたちごっこ」は避けられないだろうとブロー氏は話す。
CIOであれば、このようなことは全て把握しているはずだとブロー氏はいう。にもかかわらず、ブロー氏のクライアントの多くは、業界の標準ではないという理由で積極的な対策を講じていないという。だが、企業の上層部や従業員は、現状のセキュリティ対策では問題に対応できないことを認識している。
「平均的なユーザーも1年前よりデータセキュリティについて多くのことを把握している。データセキュリティは急速に進化している。また、CIOは、これまでより多くのコストを情報セキュリティの問題に掛けられるようになっているのではないだろうか」(ブロー氏)
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