3台に1台はコンピュータ処理をしていない“ゾンビ”
会社を食いつくす“ゾンビサーバ”の恐怖、AOLは1万5000台を撤去(1/2 ページ)
米AOLが1万4805台のゾンビサーバをデータセンターから撤去することによって、約1000万ドルの経費を削減することに成功した。
米国内には3台につき約1台のゾンビサーバが存在している。ゾンビサーバとは、データセンターのコンピュータ処理能力に何の貢献もしていないサーバだ。このような非稼働状態の「ゾンビ」サーバを撤去することで、データセンターの稼働率向上と経費削減のチャンスをものにした企業がある。それは、メール、メッセージング、デジタル広告、デジタルコンテンツなどのサービスを提供している、年間売り上げ25億ドルのグローバル企業の米AOLだ。
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データセンター5カ年戦略の一環として、AOLはデータセンター5カ所のゾンビサーバを処分する課題に着手した。AOLの各事業部門にチャージバックを開始するのが目的だとAOLでテクノロジー運用統括責任者を務めるジェームス・ラプレイン氏は言う。最終的にAOLは非常に高いサーバ稼働率を実現し、同社の二酸化炭素排出量を大きく削減した。具体的には、年間35%の削減を達成した。掲げていた目標は20%だった。だが、妥協せずにユーザーと話し合った結果、さらに高い数値を達成できたとラプレイン氏は話す。
2014年に1万4805台のサーバを運用から外して物理的に撤去すると、二酸化炭素の削減量は全体で3万6737トンにも上った。2014年初頭に稼働していたサーバの台数は3万3103台だった。このサーバの削減は、2014年末までに2つのデータセンターを閉鎖するというAOLの取り組みの一環として行われたものだ。具体的には、米バージニア州にあり500Mワットの電力を消費しているデータセンターと、米カリフォルニア州にあり100Mワットの電力を消費しているデータセンターを閉鎖する計画だった。
AOLはゾンビサーバ削減の取り組みによって、米Uptime Instituteが毎年行っている「Server Roundup」コンテストで表彰を受けた。
「当社の狙いはサーバの稼働率が非常に低いことを同業他社に実証することだった。調査しないままであれば、この業界ではサーバ稼働率の低さに注目が集まらなかっただろう」(ラプレイン氏)
世界中のデータセンターをむしばむ無数のゾンビサーバ
コンサルティング会社の米Anthesis Groupと米スタンフォード大学の主任研究員であるジョナサン・クーメイ氏が、ゾンビサーバに関する最新データを発表している。使用したのは、データセンター用のIT効率化ソフトウェアを開発するグローバル企業であるカナダTSO Logicの顧客の匿名データだ。
この調査では、6カ月以上にわたってデータ伝送もコンピュータ処理も行わなかったサーバをゾンビサーバと定義している。同調査の試算によればゾンビサーバは米国内で360万台、全世界では1000万台存在するという。世界を対象にした試算では、ゾンビサーバを撤去することでITとインフラで使用する電力を4Gワット以上削減できる可能性がある。
1000台のサーバを稼働している環境では、ゾンビサーバを排除することによって30万ドルを削減できる可能性があるとTSO Logicは予測している。TSO Logicの試算は、ゾンビサーバが300台ある(すなわち全体の30%を占める)という前提で同社のオンライン計算サービスを使用して出したもので、電力使用効率(PUE)を2とし、1キロワット時当たりのエネルギーコストを0.11ドルとして計算している。Uptime Instituteもゾンビサーバの計算サービスを提供している。
AOLに関して言えば、削減量はさらに大きかった。同社は光熱費とメンテナンスコスト、さらにライセンス費用を削減することで430万ドルを節約した。それに加えてサードパーティーベンダーに設備を売却したことで600万ドルの収入も得ている。サードパーティーベンダーは、引き取った設備を再販できるように修理して調整したり、寄付したり、金属スクラップ業者を通じて再利用する。
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