マーケティング企業のセルフサービスBI導入事例
実践で分かった、“脱Excel”でどれだけ仕事のスピードは上がるのか?
「Microsoft Excel」は最も広く利用されるBIツールだが、マーケティングサービス企業の米FullFunnelは同ツールでは不十分と感じ、セルフサービス型のアナリティクスツールに切り替えた。
オンライン販売/マーケティングサービスを手掛ける米FullFunnelは創業してまだ1年ほどにしかならないが、順調に事業を拡大している。だが、同社のさらなる成長を阻む障害が1つあった。「Microsoft Excel」だ。
Excelは今なお最も広く使われるBIツール
FullFunnelは同社のコア事業であるインバウンドマーケティングや検索連動型広告およびコンバージョン最適化に対して、データドリブン型アプローチを採用している。同社のサービス戦略において重要な部分が、マーケティングキャンペーンの成果を顧客に報告することと、アナリティクスの結果に基づいて今後の取り組みの方向性を決めることだ。だが当初はアナリティクス作業の大半がExcelを使って行われ、その後で「Microsoft PowerPoint」でリポートを作成して顧客に送付していた。
機能性と管理性に優れたセルフサービス型のアナリティクスツールが企業の間で浸透してきたが、Excelは今日でも最も広く使われているデータ分析技術の1つだ。Excelは強力な分析機能を備えているものの、これらの機能を全社レベルで系統的に導入するのは容易ではない。エンドユーザーやBI(ビジネスインテリジェンス)マネジャーたちがExcelの問題点として指摘するのが、サイロ化されたデータや一貫性に欠ける情報、非定型で無秩序なアナリティクスプロジェクトなどだ。
FullFunnelもこうした問題で苦労した。同社のスティーブン・バローネ最高執行責任者(COO)によると、米HubSpotの「HubSpot」や米Salesforce.comの「Salesforce」などのマーケティング/販売システムからExcelにデータを移行するのが大変だったという。「さまざまなチャネルからデータを抽出するのに悪戦苦闘した。非常に厄介な作業だった」とバローネ氏は話す。
時間がかかり過ぎるExcel
FullFunnelの従業員たちは、ExcelからPowerPointにグラフをコピー&ペーストして顧客向けの報告書を作成しなければならなかった。こうした非効率的な手作業で顧客担当チームのスタッフは多くの時間を取られてしまい、生産的なデータ分析業務がおろそかになっていたという。
FullFunnel はExcelを使った非効率な業務に終止符を打つべく、BIソフトウェアの新興企業である米DataHeroが提供するクラウドベースのリポーティングツールを2015年8月に導入した。DataHeroという社名と同じ名前のソフトウェアは、米Googleの「Google Analytics」やSalesforce、HubSpotなど、マーケティングスタッフや営業担当者がよく利用するデータソースとの接続を可能にする。導入の技術部分の大半は自動化されていたため、バローネ氏はプログラマーや技術者を新たに雇い入れる必要がなかった。これらのセルフサービス型クラウドBIツールを利用すれば、社内用にWebベースのリポートを作成したり、顧客と情報を共有したりすることもできる。
FullFunnelで「DataHero」ツールを最もよく利用するのが顧客担当者たちだ。彼らは顧客と共同で重要業績評価指標を定義した上で、指標を追跡するリポートの構成を決める。バローネ氏によると、顧客担当者たちは統計手法と技術に関する専門的なトレーニングを受けている。「だがDataHeroの場合は、使用方法に関する基本的なトレーニングを受講するだけで、その機能を使いこなせるようになる」と同氏は付け加える。
データアナリティクスのスピードアップ
バローネ氏によると、リポート作成作業のスピードアップが喫緊の課題だったという。創業間もないFullFunnelの目標は、できるだけ早く業務を拡大し、できるだけ多くの顧客を確保することだったからだ。「Excelの使用をやめてリポート作成業務が簡素化された結果、顧客担当チームは本来のマーケティング業務に専念できるようになった」と同氏は説明する。
同氏によると、最先端のセルフサービス型アナリティクスツールを使うようになったおかげで、顧客担当チームは文字通りデータドリブン方式で行動できるようになった。
「あらゆるものの背後に方程式が存在するとわれわれは考えている。その方程式に入れるデータが分かれば、物事を評価する方法が分かり、それを裏付ける事実を手に入れることができるのだ」(同氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握 -
製品資料
[株式会社マクニカ] 「脆弱性総まとめ」解説 被害事例から考える必須の対策ポイント -
製品資料
[Splunk Services Japan合同会社] サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには -
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」完全ガイドブック:メリットから資格取得のポイントまで -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] はじめての「自治体/官公庁入札」 必要な知識がすぐに学べる入門ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
5
AI基盤は本当に「オンプレ回帰」する? Broadcomの言い分と企業の本音
-
6
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
7
「攻撃側にナイフ、防御側にパン」 OpenAIの10億ドル支援に潜む危うさ
-
8
「世界一給与にハングリー」な日本のエンジニアが“雇用の安定”を求める理由
-
9
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
10
「Linuxサーバの長期運用とRed Hat Enterprise Linux」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー