出荷台数は減少傾向にあるが
SSDで再ブレイク、ファイバーチャネルがいまだ健在である理由
ファイバーチャネル(FC)ストレージの時代はまだ終わっていない。さまざまな業界アナリストによる市場調査の結果を見ると、FCストレージはまだ広く使用されており、ゆっくりと減少しているようだ。
ファイバーチャネルは終わったという記事がまた出てきているが、今回も大げさな宣告だったらしい。市場調査によると、ファイバーチャネルによるストレージ相互接続はゆっくりとした減少傾向にあるものの、まだテクノロジーの墓場に葬られてはいない様子だ。
ストレージネットワークの動向を追っている米調査会社Dell'Oro Groupの予測では、2019年までの年平均減少率はファイバーチャネル(FC)スイッチポートで3%、サーバとストレージ間の接続とI/O処理を提供するホストバスアダプター(HBA)のFCポートで7~8%になる見通しだという。
米Crehan Researchの予測では、2019年までの年平均出荷減少率は、FCスイッチ、HBAポートともに5%としている。2008~2014年の実際の減少率は2%だった。「ファイバーチャネルは広く普及しており、減少は緩やかだ。急にガタ落ちにはならない」とCrehan Research社長のシェーマス・クレハン氏は述べた。
基幹アプリに利用されているFC
クレハン氏によると、FCスイッチの売り上げは2013年の18億ドルから2014年の19億ドルに伸びたが、FCスイッチポートの方は590万から580万に下がった。16 GbpsのFC技術への移行が進んだが、新しいスイッチと旧式8 Gbps FCの価格差は相対的に低かった、と同氏は話した。
多くの企業では、ミッションクリティカルなワークロードに依然としてFCストレージネットワークが使われている。米Kelsey-Seybold ClinicのCTO、マーティン・リットマン氏は、同院では「実績のある」ファイバーチャネル技術の使用を拡大する予定だと話す。同院のストレージネットワークは、ストレージアレイ用FC、ホストサーバとトップオブラックスイッチをつなぐFCoE(Fibre Channel over Ethernet)、それと一部にInfiniBandという構成だ。
スイスのFriedrich Miescher Institute(FMI) for Biomedical Researchのインフォマティクス責任者ディーン・フランダース氏は、同研究所は何年か前にiSCSIを試してひどい目に遭って以来、ずっとFCのままだという。
フランダース氏は「FCはストレージ以外のネットワーク用途への再利用性に欠けるし、所内に専門家も必要だが、データストレージ向けに特化されており、データパケットの損失がなく、10年以上の実績のある『Linux』ドライバがあるという点が気に入っている」という。
フランダース氏は電子メールで「悪いところがなければ直す必要はない。理論と実際には大きな差があり、実際の現場でFCは使える」と述べた。
フランダース氏は、今後はインターネットプロトコル(IP)ベースのオブジェクトストレージが徐々に増え、FCストレージは減っていくかもしれないが、それでもやはり、信頼性の極めて高いFC SAN(Storage Area Network)は便利であり、仮想マシンインフラでは特に役立つ、と話した。
FCの出荷台数が減少する理由
SANの高速相互接続を必要とする企業にとって、FCは長い間、第一選択だったが、10年以上前にiSCSIストレージが登場したときから状況は変わり始めた。
ブロックストレージに代わってイーサネットネットワーキングが受け入れられ、ファイルストレージやその後のクラウドベースのオブジェクトストレージに広く使われるようになったのには、幾つか理由がある。コストが低いこと、専用のスイッチングや特別なトレーニングが不要であること、大半のビジネスアプリケーションに適合するパフォーマンスを提供することだ。
米調査会社Gartnerのリサーチディレクター、サージス・マシェル氏は、FCの出荷台数が減っているのは、企業が保存するデータの性質が変わってきているからだと話す。非構造化データが増えており、飛躍的に増加するデータの大半は、高信頼FC SANを必要とするほど重要なデータではないという。
「データの保存方法はその知覚価値に応じて変わる。YouTube動画を高価なストレージプラットフォームに保存しようとは思わないだろう」(マシェル氏)
とはいえ、少なくとも3~5年先まではFCの出荷台数の低下は1桁にとどまるだろう、とマシェル氏は予想する。ストレージ技術は「瀕死(ひんし)状態が長い間続くことがある」といい、テープドライブや光学ドライブの例を挙げた。
「実用的なストレージ技術はどれもロングテールだ。ある程度までは減少するが、そこから何年かは同じ水準が続く。それはなぜか。その技術で保存しているデータが存在し、既存のインフラがあるからだ。だから可能な限り、使い続けることになる」(マシェル氏)
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