2016年08月05日 08時00分 UPDATE
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メリットを全く生かしていないSkype for Business導入企業のほとんどがハマる残念な現実

LyncからSkype for Businessへ改称されて1年半。初期の混乱は収まったが、導入企業の多くがSkype for Businessのメリットを生かせていないという。

[Rene Millman,Computer Weekly]
Computer Weekly

 2015年初頭、Microsoftのユニファイドコミュニケーション(UC)スイート「Lync」が「Skype for Business」に改称された。だが、変わったのは名前やロゴだけではない。これは、一般ユーザー向け「Skype」を使ったことがある企業ユーザーを取り込もうとするMicrosoftの戦略だ。

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 では、実際には何が起きているのだろうか。もっと重要なのは、ユーザーがこの変化をどのように受け入れているかだろう。

 Orange Business Servicesのシニアプロダクトマネジャー、アン・ストローン氏によれば、ユーザーはSkype for Businessのリリースに懸念を抱いたという。それは、何が起きたのか分からなかったからだ。「Lync自体のブランド力は強かった。それは、企業向け音声機能によるところが大きい」と同氏は話す。

 「もちろん、一般ユーザーにはLyncよりSkypeのブランド力の方が強い。だが、Lyncを“Skype” for Businessにしてしまうことで企業向けの機能が失われるのではないかという懸念も生まれていた。結局は単にブランドが変わっただけだったので、不安に思うユーザーの声は前よりも少なくなった」

 MicrosoftインテグレーターのTrustmarqueでプロフェッショナルサービスインフラアーキテクトを務めるシャウン・ウォード氏は、「Skype for Businessの価格モデルについても混乱が起こった」と話す。その理由は、一般ユーザーにとって、Skypeは(追加機能には費用が掛かるものの)無料だったからだ。

 「そのため、Lyncを進化させたSkype for BusinessとこれまでのSkypeの違いは、製品名を変えるだけでは分からないとMicrosoftは考えた」とウォード氏は指摘する。つまり、Skype for Businessの発表は、ブランドが変わることについての議論を和らげ、混乱を収めるものだったといえる。

 「その結果、Skype for Businessについての議論の焦点は、Lyncと比較した場合のSkype for Businessの名前や性質ではなく、Skype for Businessの新機能に移っていった。フルバージョンのSkype for Businessの導入やハイブリッドソリューションへとユーザーの関心が移るにつれて、ようやくLyncの記憶は薄れてきたようだ」

企業の課題

 「企業がSkype for Businessの戦略的ロードマップを決める際に、幾つか課題が生まれている。例えば、テレフォニーサービスを配置する場所が課題になる。つまり、Skype for Businessを完全なオンプレミスソリューションにするか、ハイブリッドモデルにするか、全てをクラウドに配置する『Office 365』ソリューションにするかを決めなければならない」とウォード氏は話す。

 「当然、Office 365 Enterprise E5が全世界で利用可能になれば、ロードマップの選択肢は広がる」と同氏は続けた。もう1つの課題は、バックエンドITの管理スタッフとSkype for Businessのエンドユーザーの双方へのトレーニングだ。

 ストローン氏によれば、利用者に価値を理解させることが最も難しいという。

 「どのような統合通信ソリューションであっても、大切なのはネットワーク、設計、導入ではなく、教育プログラムやエンドユーザーの受け入れだ。これを適切に行えなければエンドユーザーは失望し、導入率が低くなる」

 「Skype for Businessなどの統合通信プラットフォームのセットアップでは、当初からユーザーに関与してもらう」と同氏は付け加える。その次に、ユーザーに提供する機能の程度など、実現を目指すことを定義する。その後にパイロット段階を設ける。新たに運用する場合は特にこれが必要だ。

テストの重要性

 「テストには幅広いユーザーの参加を求めることが重要だ。ツールの導入を成功させるには、小さな規模から始めて徐々に範囲を広げていくようにする」とストローン氏は話す。

 ウォード氏は次のように補足する。

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