管理しやすさだけで決めてはいけない
タブレット選び失敗の理由は“現場軽視”、IT担当者はどうすべき?
ビジネス用のタブレットの選は必ずしも面倒ではないが、考慮は必要だ。タブレットが負荷に耐えられるかどうかを判断する前にまず、IT担当者は従業員のタスクを把握する必要がある。
今日のビジネスワーカーは、オフィスにいようが自宅にいようが地球の反対側にあるホテルにいようが、できるだけ効率的に仕事を遂行するのに役立つツールを必要としている。多くの場合、タブレットはその要求を満たすことができる。
ただし、IT部門は短期と長期の両方の観点で管理とサポートが最も簡単なものに傾倒がちだ。これには正当な理由がある。というのも、ほとんどの管理者は既に多くの問題を抱えているからだ。そのため、IT部門はどのタブレットを既存のものに追加するか、注意深く検討しなければならない。
ビジネス用のタブレットを選択する際にIT担当者が決めなければならない最も重要な要素の1つは、どのような作業でユーザーの生産性を維持する必要があるかだ。Microsoftの「Windows」に付随する困難な作業が必要なユーザーもいれば、特定の種類のアプリだけを実行すればよいユーザーもいる。後者には、モバイルOSを搭載したよりユーザーフレンドリーな環境の方が好都合だ。
IT管理者が自社で使用するタブレットを選ぶときは、ユーザーが実行する必要のあるタスクとその遂行に必要なアプリを特定することをお勧めする。タブレットは全てのユーザーにとって最適な選択肢にはならないだろう。また、ビジネス用のタブレットを必要としているユーザーが全てのアプリを使用するわけでもない。多くの企業では既に幅広いモバイルビジネスアプリが作られている。そうであれば、新たに「iOS」デバイスを導入しても特に不都合なことはない。
生産性に付随するもう1つの問題は、ユーザーの操作性だ。IT担当者はユーザーの操作性についても真剣に考慮しなければならない。ユーザーはタブレットの操作に慣れていて、ある程度の変化は許容できる範囲になりつつある。だが、操作性のよしあしは非常に主観的で予想不可能なものだ。
ユーザーの操作性に基づいてタブレットを選択するのは容易でなく、結局はタブレットの技術的な仕様の問題になる。例えば、Appleの「iPhone」と「iPad」がどのようにユーザーに業務習慣を見直させるきっかけになっているかを考えてほしい。エンタープライズユーザーがモバイルデバイスのユーザビリティに対する期待値の基準を定める上でAppleが果たした役割は大きい。
ビジネス用のタブレットを選ぶ前に、ユーザーが遂行しなければならないタスクとそのタスクを実行するために必要なものを特定されたい。もちろん、企業の既存のインフラにタブレットを統合できるかどうかは重要な検討事項である。だが、ユーザーの生産性を向上するのにタブレットが役に立つかどうか、デバイスがユーザーの操作性に対する期待値を満たしているかどうかも同様に重要な検討事項だ。この2つの要件を満たせないタブレットは、どれだけ簡単に統合できてもビジネス用のタブレットとしては不合格である。
MicrosoftとAppleはいずれもデスクトップPCの代替品としてタブレットを売り出しているが、タブレットをデスクトップPCの代替品という観点だけで見ないように留意されたい。全てのユーザーが小型で安価なデスクトップPCを求めている場合、タブレットはユーザーが求めているものではないかもしれない。また、ユーザー自身が外出しない場合、携帯性を考慮して設計されたデバイスを導入しても無意味だ。
タブレットは、ユーザーが仕事を遂行するのに役立つ強力なツールになり得る。Microsoftの「Surface Pro」とAppleの「iPad Pro」はどちらも企業に多くの利益をもたらすことができる。違いはあるものの、どちらのタブレットも最先端の携帯性と順応性を備え、同じ機能を数多く搭載している。
IT担当者がどのビジネス用のタブレットを選んでも、管理者とユーザーのどちらも調整期間が必要になるだろう。タブレットの導入初期には困難に直面するが、最終的に適切なタブレットが然るべきユーザーの手に渡れば、その手間に見合う価値は十分にある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー