2017年12月28日 05時00分 公開
特集/連載

超高速ネットワークの挫折と復活【第3回】超高速ネットワークが越えられない「400Gbpsの壁」 (1/3)

普及まで長い道のりを経た“10Gbps級”ネットワーク。時代は既に、より高速な規格を求めていた。

[大原雄介,著]
画像 高速ネットワークの今後は

 前回「25G/40GBASE-Tの普及を阻む『大きすぎる消費電力』」までで銅線ケーブルを利用するイーサネット規格の概略を紹介した。今回はより高速なイーサネット規格に関する流れを見てみよう。厳密に言えば、まだ取り上げていない銅線ケーブルが若干残っているので、それらについても併せて紹介する。

 10Gbpsのデータ伝送速度を実現するイーサネット規格(以下、10GbE)に関しては、以下の表1のように2002年〜2007年あたりに主要な規格の標準化が完了した。最近まで10GbEの普及はなかなか進まなかったが、その間も通信量そのものは倍々ゲームとは言わないものの、着々と伸びていくことが予想されていたので、より高速なデータ通信速度のイーサネットが必要になるという見通しがあった。

表1 10GbEの主要規格
規格名 採番 確定年
10GBASE-SR、10GBASE-LR、10GBASE-ER、10GBASE-LX4 IEEE 802.3ae 2002年
10GBASE-CX4 IEEE 802.3ak 2004年
10GBASE-T IEEE 802.3an 2006年
10GBASE-KR、10GBASE-KX4 IEEE 802.3ap 2007年

100GbE確定までの道のり

 10GBASE-Tが確定した2006年に、IEEE(米国電気電子技術者協会)の標準化組織である802委員会は、次の規格の標準化作業に着手する。2006年にスタディーグループ(研究委員会)の「IEEE 802.3 Higher Speed Study Group(HSSG)」を立ち上げ、ここが次世代イーサネットに関する検討を開始。2007年8月にはRoad to 100G Alliance(2008年にイーサネット業界団体のEthernet Allianceが吸収)という業界団体を結成した。創業メンバーはデータ管理/分析技術を開発するBay Microsystems、半導体企業のEnigma Semiconductor、Integrated Device Technology、Lattice Semiconductor、IPネットワーク関連ソフトウェア開発企業IP infusionの5社である。この団体のメンバーはIEEE 802.3 HSSGとかぶっている部分もあったが、建前上は独立してそれぞれ活動していた。

 IEEE 802.3 HSSGは40Gbpsと100Gbpsのイーサネット規格(それぞれ40GbE、100GbE)に関するPAR(Project Authorization Request:規格標準化作業のプロジェクトを立ち上げるリクエスト)を出し、2007年12月に「802.3ba」として採番されている。2008年1月に802.3baとしては初めてのミーティングを開き、以後標準化に向けてミーティングを重ねた。最終的にこれは2010年6月に「IEEE 802.3ba」として標準化が完了した。Road to 100G Allianceの方は、この完成を待たずに2008年中旬にはもう事実上活動を終了しており、2009年には消滅した。要はPARを通すための業界活動が目的の組織だったのだ。

 そんなわけで、100GbEは10GbEと比べると、割とあっさりと決まった。当初、100Gbpsの実現は非常に技術的な難易度が高いといわれており、いきなり100Gbpsではなく、まずは40Gbpsの実現を狙って、その後で100Gbpsに向かおうという声も少なくなかった。そこから考えると少し意外というか、肩透かしに終わった感じもある。主要な規格の仕様は以下の表2のように定めている。

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