新興技術が社会やビジネスにどのような影響を与えるかを予測するテクノロジー版の未来学者が今考えている有望技術とは?
パット・ライアン氏の仕事は明日を考えることだ。同氏はテクノロジーコンサルティング会社SPRのテクノロジー版“未来学者”として新たな役割を担っており、今後、数年間に流行すると予測する新興技術を研究し、クライアントのために「その技術を具体化する」ことが仕事だ。
「われわれがやろうとしていることは、クライアントから依頼を受けてから対応するのではなく、この先、クライアントがわれわれに求めてくるであろうことを先読みし、それに対して、行動を起こしたり、より入念に熟考したりすることだ」とライアン氏は語る。シカゴを拠点とする同社での同氏の正式役職名は新興技術部門の副社長である。「物事は本当に速く変化し、その速度はさらに上昇している。ここでわれわれは、さらにその先にあるものを先取りして進めようとしているのだ」
ライアン氏はコンサルティング業務に携わっているが、デジタルテクノロジーが全く新しいビジネス(ライドシェアリングなど)の出現を可能にし、古いテクノロジー(タクシー業界)を脅かす時代において、テクノロジー未来学者としての役割は、全ての組織において、ますます必要となりつつある。一般の企業はライアン氏が持つような専門の任務を定めていないかもしれないが、将来に何が起きるかに目を向け、現時点で行動を起こすことは、誰かが進めなければならない課題である。
「今、その課題に取り組まなければ、競合がやるだろう。既存の競合かもしれないし、あるいは、これまで名前を聞いたこともないような競争相手だ」と同氏は語る。
技術の風向きを予測することは簡単なことではない。ライアン氏は本当にビジネスとして成功する有望な技術、例えば、トランザクションの保護能力を高めることで、詐欺を防止することができるブロックチェーンなどに注目し、その技術の隅々までを学ぶ。そうすることでその技術に熱心に興味を持つクライアントから質問を受ける同僚やコンサルタントを教育できる。
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