「コミュニケーションツールは1社にまとめたい」 だから2019年UC市場はこう変わる社内と社外のコミュニケーションを包括する方向性

企業内のコミュニケーションニーズを1つでまかなえる製品を求めるユーザー企業が少なくない。ユニファイドコミュニケーション(UC)ベンダーは買収策やAPI開発といったアプローチを選んでいるようだ。

2019年01月08日 05時00分 公開
[Tsahi Levent-LeviTechTarget]

 エンタープライズコミュニケーション市場は転換期を迎えている。最初はオンプレミスからクラウドベースのコミュニケーションへの移行が転換をけん引したが、状況は大きく進展しており、クラウドは引き金にすぎなかった。

 エンタープライズコミュニケーション市場は、以下の3つのセグメントに大別される。

  1. ユニファイドコミュニケーション(UC)
    • このセグメントでは、企業内のコラボレーションとコミュニケーションの比重が大きい。最近ではWeb会議やチームコラボレーションが注目を浴びている。
  2. コンタクトセンター
    • このセグメントでは、顧客と企業間の従来のコミュニケーションが焦点となっており、純粋な音声通話から、音声、ビデオ、テキスト、ソーシャルチャネルが全てサポートされるオムニチャネルコミュニケーションへの展開が進んでいる。
  3. コミュニケーションAPI
    • 企業のコミュニケーションニーズがどのようなものであれ、それに応えるものを、コミュニケーションインフラを使って開発し、アプリケーションやビジネスに組み込むことができる。理論上も実際上も、ユニファイドコミュニケーションとコンタクトセンターは、コミュニケーションAPIに構築できる。

 ここ数年、UCベンダーは、これらのセグメントやエクスペリエンスの統合により、包括的なエンタープライズコミュニケーション製品を提供しようとしている。

 これに対し、コミュニケーションAPIベンダーはAPIセグメントに特化している。この市場をリードするTwilioだけが例外的に、コンタクトセンタープラットフォーム「Twilio Flex」を発表し、コミュニケーションAPIからコンタクトセンターに手を広げている。

 コンタクトセンターベンダーも同様で、自らの市場に集中しており、それ以外の動きはあまり見られない。

買収でコミュニケーションポートフォリオを拡大

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