ウォッチガードがUTMを機能強化、ゼロデイ攻撃の防御が可能にNEWS

ウォッチガードがUTM(統合脅威管理)装置用の新ソフトウェアをリリース。未知のウイルスを即時に検知・隔離する機能をサポートした。

2008年02月21日 17時40分 公開
[堀見誠司]

 セキュリティ機器ベンダーのウォッチガード・テクノロジージャパンは2月21日、同社のUTM(統合脅威管理)アプライアンス「Firebox X」シリーズ専用のソフトウェアをバージョンアップ、同日より提供を開始した。新版のソフトウェア「バージョン10」ではウイルス対策機能や管理機能などを強化している。

 新バージョンは、中・大規模向け「Firebox X Peak/Core」用の「Fireware 10」、小規模向け「Firebox X Edge」用の「Edge 10」となる。主な強化点は、(1)新しいウイルス検知機能の追加、(2)SSL VPN導入の簡略化、(3)管理インタフェースの向上の3つ。

画像 前職は米Avocentが買収したLANDesk SoftwareのCEOだったワン氏。WatchGuardのUTMに採用される独自のプロキシ技術に可能性を見いだしたと述べ、「類似製品に対するコストパフォーマンスの良さを評価してほしい」と自信をのぞかせる

 (1)では、リアルタイムでのウイルス検知機能を新たに採用し、ゼロデイ(未知)の脅威に対応した。ウイルスの特徴を示すハッシュデータベースを瞬時に照合する米Commtouchの技術を利用している。さらに、HTTPSベースのURLフィルタリング(オプション提供)や感染ファイル隔離機能を追加した。(2)は、従来PCに専用モジュールを別途インストールする形でサポートしていたSSL VPNクライアント機能を、Webブラウザ接続時の自動ダウンロードで利用できるようにして、導入の手間を削減した。Active DirectoryやRADIUS、LDAP対応ディレクトリとの認証連携も可能になっている。

画像 バージョン10ではリポート出力機能を改良した

 また(3)については、グラフによるリポート機能において、グラフィックテンプレートの種類が増え、グラフをオブジェクト化することで動的なデータ表示ができるなど視認性を改善したほか、管理ツールからのデータ分析がしやすくなるようSQL形式でのログ保存をサポートした。ポーリングや管理者にアラートを送る際などに利用する管理プロトコルとして、SNMP(Simple Network Management Protocol) v3に対応する。

 バージョン10は当初英語版が提供されるが、第2四半期にはインタフェースを日本語化した製品がリリースされる予定。バージョン10を搭載したFirebox X Peakの価格は190万円から、Firebox X Edgeは25万円から。サポート契約期間中の現行機種のユーザーは無償でアップグレードできる。

 なお、製品発表に合わせて来日した米WatchGuard TechnologiesのCEO(最高経営責任者)、ジョー・ワン氏によると、米国より2年遅れで立ち上がった日本のUTM市場規模は、今後年率30%の伸びを期待できるという。販売チャンネルの拡充やリセラーなどパートナー企業への技術トレーニング強化を通じて、アジア・太平洋地域での日本の売り上げ比率を現在の30%から50%に引き上げたい考えだ。また、同社は現在、中堅・中小企業を中心にUTM製品を販売しているが、大企業向けのハイエンド製品の投入も視野に入れており、そのために研究・開発部門への投資比率を全体の4割以上に増やすとしている。

関連ホワイトペーパー

UTM | ウイルス | ゼロデイ | SSL | VPN


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

優先度の高いアラート対応で手いっぱい、SOC運用を変革する注目の手法とは?

攻撃対象領域の拡大に伴い、SOCは高優先度のアラート対応で手いっぱいになり、トリアージにおいても十分な追加検証が行えていない。この現状を打開するには、AI/機械学習を活用し、大量のデータをセキュリティ対策に生かす手法が有効だ。

製品資料 Absolute Software株式会社

ハイブリッドワークでのリモートアクセスを保護、ZTNAを実現する最適な手段とは

リモートアクセスを保護する方法として注目されるゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)。その実現手段として検討したいのが、エンドポイント上でポリシーを適用し、アクセスをきめ細かく最適化する先進的なZTNAソリューションだ。

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

エンドポイントセキュリティ製品を選ぶ際にチェックしたいポイントとは?

サイバー攻撃が高度化する中、企業・組織はこの対応に苦慮している。本資料では、CISOやSecOpsリーダーなど、役割別の課題を整理し、この解決につながる製品の選定においてチェックしたいポイントを紹介する。

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

AIで真の包括的セキュリティを実現、ハイブリッドワーク時代に選ぶべきSASEとは

ハイブリッドワークの定着により働き方が変化する中、セキュリティを強化する方法として注目されるSASE。だが実際には、スタンドアロン製品で構成されるものも多く、性能に不満の声もあった。これらを解消する、AI搭載の統合型SASEとは?

市場調査・トレンド ラピッドセブン・ジャパン株式会社

インシデント対応の自動化率はわずか16%、調査で見えた停滞の原因と解決策とは

AIや自動化の波はセキュリティ対策にも訪れているものの、ある調査によれば、「脅威やインシデント対応のプロセスを完全に自動化できている」と回答した担当者は16%にとどまっており、停滞している実態がある。その原因と解決策を探る。

アイティメディアからのお知らせ

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/06/15 UPDATE

  1. 縲瑚コォ莉」驥代r謾ッ謇輔≧縲堺サ・螟悶�繝ゥ繝ウ繧オ繝�繧ヲ繧ァ繧「蟇セ遲悶�譛ャ蠖薙↓縺ゅk縺ョ縺具シ�
  2. 窶弃C荵励▲蜿悶j窶昴�諱舌l繧ゅ€€Microsoft陬ス蜩√�蜊ア髯コ縺ェ縲後ぞ繝ュ繝�う閼�シア諤ァ縲阪→縺ッ
  3. 繧サ繧ュ繝・繝ェ繝�ぅ繝��繝ォ髢狗匱縺瑚ィエ險溘Μ繧ケ繧ッ縺ォ�溘€€Meta縺ョ242蜆��蜍晁ィエ縺ァ襍ー繧銀€懈ソ€髴�€�
  4. 繝代せ繝ッ繝シ繝峨�繧€縺励m縲悟些髯コ縲搾シ溘€€隱崎ィシ蝓コ逶、繧貞シキ蛹悶☆繧九%縺、縺ッ
  5. 縺昴�繝励Λ繧、繝舌す繝シ蟇セ遲悶€∝ョ溘�窶懈凾莉」驕�l窶昴°繧ゑシ溘€€NIST縺檎、コ縺呎眠蝓コ貅�
  6. 縺昴�SMS縲�幕縺�※螟ァ荳亥、ォ�溘€€謾サ謦�€�′縲後せ繝溘ャ繧キ繝ウ繧ー縲阪↓逶ョ繧剃サ倥¢繧狗炊逕ア
  7. 窶懆、�尅縺ェ繝代せ繝ッ繝シ繝俄€昴h繧翫€後ヱ繧ケ繝輔Ξ繝シ繧コ縲阪r蟆る摩螳カ縺悟匡繧√k逅�罰
  8. 闍ア蝗ス縺後Ο繧キ繧「繧医j繧りュヲ謌偵r蠑キ繧√k窶懊≠縺ョ蝗ス窶昴€€蝗ス螳カ荳サ蟆弱し繧、繝舌�謾サ謦��閼�ィ√→縺ッ��
  9. 險シ蛻ク蜿」蠎ァ縺�縺代§繧�↑縺�€€莨∵・ュ繧ら漁縺�€後う繝ウ繝輔か繧ケ繝�ぅ繝シ繝ゥ繝シ縲阪�莉慕オ�∩縺ィ蟇セ遲�
  10. 萓オ蜈・邨瑚キッ縺ッ縲梧ュ」隕上い繧ォ繧ヲ繝ウ繝医€阪′譛€螟壹€€隱崎ィシ諠��ア縺ョ窶懃尢縺セ繧梧婿窶昴↓縺ッ縺ゅk螟牙喧繧�

ウォッチガードがUTMを機能強化、ゼロデイ攻撃の防御が可能に:NEWS - TechTargetジャパン セキュリティ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...