米国の電子情報開示要求では、必要なデータを迅速に探し出すことが法的に義務付けられている。電子情報開示対策ツール購入のチェックポイントを紹介する。
企業が保有するデータ量の増加に伴い、関連性のあるデータを見つけるのがますます困難になってきた。昨今ではデータを長期にわたって保持しなければならず、また、ストレージ担当者が直感的にドキュメントやスプレッドシートなどのデータを見つけてくれるのを期待することもできない。これは、電子情報開示(e-Discovery)の要求に対応する上で問題となる。米国の電子情報開示要求では、必要なデータを迅速に探し出すことが法的に義務付けられており、違反すると罰金を科せられたり有罪判決が下されることもある。
e-Discoveryツールは強力な検索機能を備え、キーワードや一般的なメタデータに基づいて何十億ものファイルを素早く処理し、インデックス化することができる。これらのツールは、理解しやすい形式で検索結果を提示でき、訴訟管理ツールと互換性のある形式で結果を出力する機能を備えているものも多い。
ほかの検索ツールでもそうだが、e-Discoveryツールの場合も、購入する前に自社の環境で製品をテストする必要がある。訴訟に際して必要なデータを見つけ出して提示することができなければ、何の役にも立たないからだ。コンプライアンス製品の購入に関する一般的な問題の評価が終わったら、e-Discoveryツール独自の選定基準について評価を行う。その後で、Fast Search & Transfer(FAST)、Kazeon Systems、Index Engines、StoredIQなどのベンダーから提供されている製品の仕様を比較するといい。
検索機能を使用して情報開示のテストを行い、そのツールがクエリに基づいてメールや文書などのファイルを実際に見つけ出すかどうか確認する。例えば、社内の最近のプロジェクトや構想に関連したメモ(Word文書)をすべて探すといった具合だ。こういった検索テストにより、キーワード、送信者、ファイル日付、文書内の文脈といった共通の基準に基づき、有用で関連性のある結果が得られなければならない。
e-Discoveryツールは、社内の各種ハードウェア上に保存されている広範なファイルタイプに対応できる。e-Discoveryツールを購入する前に、Word文書、Outlookの.pstファイル、データベースファイル、画像、PDFファイルなど、会社で使用する主なファイルタイプに対応しているかどうかを確認する必要がある。また、重要なファイルが保存されているストレージシステム、サーバ、デスクトップPC、ワークステーション、従業員のノートPC、リモートサイトなどを検索できるかどうかも確認すること。
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