経営陣こそ利用すべし
ビジネスにBIを持ち込むBusiness Objects
Business ObjectsのCEOは、BIが重役になかなか受け入れられないことを認めながら、経営陣がBIを取り入れる時が来たと語った。
ビジネスインテリジェンス(BI)の欠点は、それがあまりにも複雑なために、データアナリストや技術に詳しい人にしか使えないことである。これは皮肉な話だ。というのも、BIは、企業幹部にとって最も関心のあるビジネス戦略と競争優位の核心に触れる技術であるからだ。SAPの子会社であるBusiness Objectsのジョン・シュワルツCEOも、BIが重役室になかなか受け入れられないことを認めている。しかしシュワルツ氏は今、経営陣がBIの価値提案を理解し、それを実行に移す時が来たと確信している。
―― BIが経営者に受け入れられないのはなぜですか?
シュワルツ 企業の重役の手元に情報を届けるのは容易ではありません。情報ソースがどこにあるのかをきちんと把握できていない企業が多いのが現状です。多数の異なるシステムが同じ情報を異なる視点から見ています。例えば、マーケティング、販売、製品管理、注文処理、サポート、顧客管理といった用途ごとにデータベースが存在します。そこで難しいのは、どのデータエレメントが基準の視点になるのかを把握することです。その上で、この単一視点を基準とするようにほかのシステムを構成する必要があります。これがマスターデータ管理(MDM)です。
―― しかしMDMが登場したのはだいぶ前のことです。
シュワルツ それがきちんとできている企業はほとんどありません。この面でリードしているのは銀行です。彼らのビジネスは、それをきちんとやれるかどうかに懸かっているからです。銀行は、同じ顧客であっても、「クレジットカードの顧客」「ローンの顧客」「資産管理の顧客」といった複数の視点で見ています。これらを管理するシステムはすべて異なり、互いに無関係に構築されています。情報の統合は、信頼できるデータビューを確立するための基本的なステップです。もう1つのステップは、サプライヤーと顧客のエコシステムの中でこの情報を共有し、全員が各要素に対して共通のビューを持つようにすることです。
―― それは構造化された情報の場合ですね。構造化されていない多様なデータはどうなるのですか。
シュワルツ 非構造型データには2つの種類があります。1つはデータベースや管理されたファイルに含まれていない数値データです。もう1つはテキストやメディアです。非構造型データを扱うツールはあります。例を挙げましょう。あるコールセンターでは、通話を記録し、それをテキストに変換しています。BIツールはそのテキストを解釈し、ムード情報と顧客の意図を抽出し、それをマーケティングデータベースの一部にすることができます。構造型データと非構造型データとのリンクを維持することもできます。例えば、コールセンターからの情報を参照する際に、それにリンクされた元の通話を聞くことができるのです。
―― 技術に詳しくない経営幹部でも、こういった機能を使えるのですか。
シュワルツ 当社のCMO(最高マーケティング責任者)が使っているガイド付きナビゲーション検索ツールでは、当社のデータベースにあるすべての製品データと顧客データにアクセスできます。さらに、この検索ツールの機能を使ってデータをスライス&ダイスすること(つまり、データを分析すること)により、トレンドや市場行動を把握できます。これによりCMOは、市場機会を特定し、特定の顧客に照準を合わせ、販売部門が特定のビジネスチャンスに狙いを定めたキャンペーンを構築するのを支援する一方で、バックエンドの製品開発チームには修正が必要な部分を伝えることができます。これは誰にでもできることです。もちろん、クエリと検索だけですべてのBI機能を実行できるわけではありませんが、経営幹部が独自のアクセス方法を作成するのには十分使えます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社シーイーシー] 脱VMwareに成功した企業は何をどう実践した? 事例に学ぶ戦略立案&実装のコツ -
製品資料
[株式会社オービックビジネスコンサルタント] ランサムウェア攻撃を“二重の防御構造”で防ぐ、クラウド型基幹システムの実力 -
製品資料
[株式会社オービックビジネスコンサルタント] 動画で知るランサムウェア被害企業のリアル、会計データが無事だった理由とは -
市場調査・トレンド
[セコムトラストシステムズ株式会社] EDR導入を成功に導くロードマップ:選定/稟議/運用のつまずきを防ぐコツ -
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
3
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
4
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
5
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
6
脱VMwareか、継続か? 仮想化ソフト主要6製品の機能とスペックを徹底比較
-
7
JSONをやめてPythonで送る トークン消費を約7割抑えるAIの設計
-
8
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
9
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
10
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー