ソフォスの新社長が3カ年の事業目標を発表。ウティマコ統合効果や販売体制強化により、売り上げ規模を3年後には4倍にするとした。
「向こう3年間で国内の売り上げを4倍にする。できない数字ではない」
セキュリティ対策ベンダー、ソフォスの代表取締役社長に新たに就任した堀 昭一氏は2月24日、報道関係者に今後の事業戦略を説明した。3カ年計画として、ウティマコセーフウェアとの統合による情報漏えい対策製品の強化や販売体制の整備などを通じて、2011年までに現在の4倍の売り上げ増を目指すという。
同社が掲げた具体的な取り組みは、「情報漏えい防止(DLP)ソリューションの強化」と「販売パートナーとの連携強化」の2つ。
1つ目の施策では、独Utimaco Safewareの買収により手に入れた暗号化・DLPソリューション「SafeGuard」をゲートウェイセキュリティ中心の既存製品ラインに加え、ブランド向上や社内外のセキュリティリスク対策の強化を図る。まず、エンドポイントセキュリティ製品「Endpoint Security and Control」にSafeGuardの暗号化や入出力デバイス/ポート制御機能を加えた製品を2009年春に販売。さらに今後2年間で、既存ユーザーのサポートを継続しながら、両社の製品の統合を進めるという。
2つ目は、同社の営業やマーケティングの部隊が連携し、パートナーの販売活動をサポートする体制をつくるというもの。同社は直販を行っていないが、パートナーによる提案活動を円滑化するため、大手顧客とは「直接コンタクトすることもあり得る」(堀氏)。さらに、2011年までに同社製品を扱うパートナーのセールス担当を2000人規模に増やす販売プログラムの実施などにより、同社が強みを持つ中央省庁・地方自治体のほかに、中小企業市場を開拓していく。
堀氏は前社長のアラン・ブロデリック氏に代わり、1月5日に社長に就任したばかりだが、ソフォスにおけるプライベートカンパニー(個人企業)の長所を生かした安定経営や高い脅威検知率を実現する技術力に成長性をすぐに感じ取ったという。具体的な金額は明かさなかったが、堀氏は2つの取り組みを通じて現在の国内の売り上げを3年後には4倍にしたいと事業目標を語った。「有力な販売パートナーからの同意を得た。達成できない数値ではないと思う」(同氏)。また、国内売り上げのソフォス全体に占める割合を、現在の5%から2011年には20%にまで引き上げるとした。
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