景気後退の中にあっても、プロセスとワークフローを整理してコスト削減と顧客サービス向上を図るというITSMの利点は活用できる。
ITSM(ITサービスマネジメント)は景気が底堅いときでさえ売れにくいことがある。ITIL(IT Infrastructure Library)、COBIT(Control Objectives for Information and related Technology:ITガバナンスの成熟度を測るフレームワーク)、Six Sigmaといったフレームワークは時に、「あれば便利」だがITにとって必須ではないといわれる。しかし景気後退の中にあっても、プロセスとワークフローを整理してコスト削減と顧客サービス向上を図るというITSMの利点を、ミッドマーケットのIT幹部が取り入れる手はある。
ITSMが提供するものを最大限に活用し、リソースを過剰に費やすことなく投資を手っ取り早く回収するために、このアドバイスを参考にしてほしい。
ITのパフォーマンス向上というニーズかもしれないし、どんなサービスを提供できるかについてユーザーを教育するニーズかもしれないし、効率性とプロセス向上のニーズかもしれない。
「解決すべき問題を理解していなければ、ITILを導入したいとは思わないだろう」と話すのは、米Pultorak & Associatesの創業者でITコンサルタントのデビッド・パルトラック氏。
カリフォルニア州トゥーレア郡の情報技術局でIT部門管理者を務めるリー・ルート氏は、2つの群のIT部門統合を手掛けた際に、新しいITSMインプリメンテーションを構築した。
「2つの別々なワークフロー、別々のITシステム、別々のポリシーを統合する必要があり、ITサービス管理の新しい手段を見つけなければならなかった。やりたいことは分かっていたが、それを実現するためのあまり古めかしくない方法を見つける必要があった」とルート氏は振り返る。
ルート氏は以前からあるITSMプラクティスを2つ混合させるよりも、この機会に新たなスタートを切り、IT部門が何を提供すべきかを描くことにした。
「実体のないものは売りたくなかった。何を提供すべきかが誰にも分かっていなければ、相手は何もかも欲しがる。McDonald'sに行けばチーズバーガーやビッグマックは買えるがタコスは買えないと分かっている。われわれは顧客のために“ITSMメニュー”を作り、何が注文できるかを分かってもらえるようにしたかった」(ルート氏)
サービスカタログを参考にして標準的な提供内容の作成に重点を置くことにより、ルート氏は双方の期待をはっきりさせ、ユーザーが望むものをITが提供できるようにした。
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