Windows Azure Platformは、オンプレミスで多数のWindowsアプリケーションを保有し、積極的にクラウドを利用したいと考えているユーザーにとってうってつけの環境である。
本連載ではパブリッククラウドを使った企業向けシステム構築について解説している。第1回のAmazon Web Servicesから、Force.com、Google App Engineと続けてきた。最終回でもある今回はWindows Azureを取り上げる。毎度申し上げていることではあるが、変化の激しい分野でもあるので、記載されている情報は原稿執筆時点のものであることをご了解いただきたい。
Windows Azureは、米Microsoftが2010年1月に提供を開始したエンタープライズ向けのアプリケーションプラットフォームである。本連載で扱う4つのパブリッククラウドの中では最後発のクラウド基盤となる。
Microsoftは言うまでもなく、ビジネス分野における世界最大のソフトウェア供給会社である。一部コンシューマー向けにMSNやWindows Live、Bingなど、クラウドに親和性のあるインターネットサービスも行っているが、ビジネス向けにはいわゆる「オンプレミス」型の商材で現在の地位を築いてきた。「クラウド」とは対極の存在であったことは間違いなく、Windows Azureについても社内で激論が交わされたと聞く。リリースに際して相当の紆余(うよ)曲折があったことは想像に難くない。
先般の報道「MS、クラウド事業に本気――米本社幹部『社員の9割の時間をクラウドに』」にもあったようにMicrosoftは「完全にクラウドに舵を切った」とされている。既存のビジネスとどのように折り合いを付けたのか、ユーザーにはどんなメリットがあるのか、以下に概観していきたい。
Windows Azureというと、Microsoftのエンタープライズ向けクラウドサービス全体を指すことが多い(本稿のタイトルはこの慣例に倣いWindows Azureとした)。厳密にはWindows Azureはクラウド基盤上のOS(正確には各インスタンス上のOS)にすぎない。PaaS(Platform as a Service)として本格的に活用するには、OSと共にDBMS(SQL Azure)、サービスバス(Windows Azure Platform AppFabric)を組み合わせて考える必要がある。この三者を合わせて「Windows Azure Platform」と呼ぶ。少々ややこしいが、鳥瞰(ちょうかん)図を下記に示すので理解の一助としていただきたい。
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