企業がERPを選ぶ際の今後のポイントは何か? ユーザー企業の動向調査でERP選びについて新たなトレンドが見えてきた。「ニュースタンダード」ともいえる新しい選択の基準を紹介する。
ノークリサーチは10月13日、中堅・中小企業を対象にした「ERPの利用実態とユーザー評価」の調査結果を公表した。導入社数シェアで、オービックビジネスコンサルタント(OBC)の「奉行 新/V ERP」がトップを獲得した。ノークリサーチのシニアアナリスト 岩上由高氏は「企業は自社の年商規模に応じたERPより、下位を対象にしたERPを導入する傾向がある。これはERP選びのニュースタンダードになりつつある」と指摘する。
2010年調査では中堅・中小企業向けERPのシェアは、「SAP ERP/SAP Business All-in-One」「GLOVIA smartシリーズ」「奉行 新/V ERP」の順だった(参考記事:より小規模向けERPへと向かう中堅・中小企業、その先を解説する)。今回は奉行 新/V ERPが14.9%でトップ。SAP ERP/SAP Business All-in-Oneが2位。GLOVIA smartシリーズが3位となった。奉行 新/V ERPについては、「より上のレンジの企業を獲得できた」と岩上氏は躍進を説明する。これまで年商50億円規模の企業が導入することが多かった奉行 新/V ERPだが、2011年はりそなホールディングス傘下の3つの銀行が導入するなど、中堅上位以上の大企業も導入数を増やした。大企業が、これまでは対象外と考えていた中堅企業向けのERPに注目し始めたといえる。
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