中堅・中小企業を対象としたERPについての会員調査からは企業のERP導入を阻む課題が浮き彫りになった。一方、ERPを既に導入している企業はERPのメリットを感じているようだ。
TechTargetジャパンでは2011年1月28日から2月10日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に「中堅・中小企業のERP導入・活用」に関する読者アンケート調査を実施した。結果から見えてきたのは依然として低い中堅・中小企業のERP導入率と、ERP導入を阻んでいる課題だ。調査結果から、中堅・中小企業のERP活用の課題や、ERPを使った業務標準化や効率化の成果などを紹介する。
目的:TechTargetジャパン会員のERP導入・活用状況について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2011年1月28日〜2月10日
有効回答数:154件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
回答者の企業規模は年商500億円未満が79.2%、500億円以上が20.8%だった。調査結果によると全体のERP導入率は37.0%。2010年8月に大企業も含めて行った調査(参考記事:会員調査で浮かび上がるERPのコスト問題、IFRS対応への影響は)ではERPの導入率は52.7%だったので、今回の読者調査にERP導入率が低いと考えられる中堅・中小企業が多く集まっていることが分かる。
全体の回答者を年商規模別に分類すると傾向がより分かる。年商500億円以上の企業ではERPの導入率は75.0%なのに対して、年商500億円未満の企業では導入率は27.0%。未導入率は73.0%で、年商500億円以上の企業と正反対の結果になった。年商500億円を境にERP導入に大きな差があることがうかがえる。年商500億円未満の企業でERPを導入していない企業にとっては、今後ERPを導入することで業務プロセスの標準化や効率化の恩恵を受けることができる。また、ERPベンダーにとってもこのERP未導入の企業は魅力的に映るだろう。
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