ERPパッケージを使い続ける企業の中にも不満は隠れている。この不安をどう解消するかが、ERP導入の成功につながる。求められるのは投資コストの最適化、そして投資対効果の明確化だ。
「72.1%」。これはERPについて不満を持ちながらも継続して使い続けている企業の割合だ。ERPのリプレースを決断した企業は4.1%と少なく、結果的には現状のERPを使い続けている企業が多い。しかし、その継続判断の裏には不満が隠れている。ERPパッケージベンダー、導入にかかわるITサービス企業にとってはこの不満をどう解消するかが課題だ。
この数字は業界団体のERP研究推進フォーラムが行った「企業アプリケーション・システムの導入状況に関する調査」の調査結果で公表された。同フォーラムの常任理事の田口佳孝氏は「どんなシステムを入れてもすべて満足することはない。何らかの不満を持っている」と企業側の声を説明する。調査結果によると、ERPの導入比率は年々増えていて、最新の調査では49.2%の導入比率。2009年の調査から7.9ポイント増加した。ERPの導入比率は企業規模に比例していて、年商が3000億円以上の企業であれば6割以上の企業が導入している。企業においてはERP利用がほぼ一般化したといえるだろう。
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