財政状態計算書(1):固定資産管理の影響を見るIFRSを会計×業務×ITで理解する【第2回】

日本企業の実務との差が大きく、会計処理や業務プロセス、ITシステムに大きな影響を与えると考えられるIFRSの固定資産会計。業務プロセスやITシステムを適切に構築するための情報をお届けする。

2010年08月24日 08時00分 公開
[原 幹,クレタ・アソシエイツ]

 これからIFRSの適用を目指す日本企業に影響が大きいと考えられる会計基準のポイントと業務プロセスへの影響、ITシステムの対応方法を解説する新連載の2回目。今回は日本基準との差が大きく、また日本企業の実務と影響も大きいと考えられる有形固定資産を取り上げる。なお、以下の文中における見解は特定の組織を代表するものではなく、筆者の私見である。

第1回:「収益認識」「工事契約」を克服する3つのシナリオ

 本連載は下記の構成にてお送りする。該当パートを適宜参照されたい。

Part1:会計基準ポイント解説(IFRSフォーラム)

IFRSのトピックス概要と日本基準との差異を解説する。

Part2:業務へのインパクトと対応(IFRSフォーラム)

会計基準に対応するための業務サイドへの影響と対応方法を解説する。

Part3:ITへのインパクトと対応(本稿)

会計基準によるITサイドへの影響と対応方法を解説する。

 第2回は、財政状態計算書(貸借対照表、以下では便宜的にB/Sとする)の項目のうち

  • 有形固定資産(IAS第16号)
  • 無形固定資産(IAS第38号)
  • 投資不動産(IAS第第40号)
  • 固定資産の減損(IAS第36号)
  • 借入費用(IAS第23号)

について取り上げる。

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