「今後10年使われる可能性があるERPパッケージ導入では、本丸である財務会計と人事の機能をいかに効率化するかを考える必要がある」。10月3日から5日にかけて開催されたガートナー ジャパンのイベント「Gartner Symposium/ITxpo 2011」で講演した同社アナリスト 本好宏次氏はERPの製品選びについて講演でこう話した。「ERPの定義は進化している」という本好氏の講演内容をリポートする(本好氏への過去のインタビュー記事:外資か国産か、IFRSを見据えたERP選びの鍵は「自社のIT戦略」)。
企業はERPについて厳しい見方をしている。ガートナー ジャパンの調査によると、ERP導入への期待で多いのは「業務コストの削減」。パッケージによる効率化でコスト削減を期待している。しかし、その期待は裏切られることが多いようだ。ERPへの不満点として「保守」「ライセンス」「導入」の3つのコスト増加が挙がっているからだ。コスト削減を目的にERPを導入したつもりが、逆にコストがかさんでいる状況だ。「ERPは期待と実際のギャップがある」(本好氏)。不満点の4位には「操作性」も挙がっていて、ERPは企業にとって「高くて使いづらい」存在だ。
ERPの今後を考える上ではこのようなネガティブな認識を出発点にする必要がある。「ERPは今後10年、20年と使うアプリケーション。この課題をどう乗り越えるのかという観点で考える必要がある」(本好氏)からだ。その上で本好氏が注目するのがERPの本丸と呼ぶ、財務会計と人事の機能だ。ERPは業務プロセスの効率化やコスト削減、正確性の向上を目的とする「管理系ERP」と、技術革新によって生産性向上を狙う「実行系ERP」の2つのカテゴリがある。
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