IT関連の総合展示会「Japan IT Week 2012春」。本稿は同イベントの中から、ストレージ専門展示会「第14回 データストレージEXPO」の内容を紹介する。
東京ビッグサイトで2012年5月9日〜11日の3日間開催されたIT関連の総合展示会「Japan IT Week 2012春」。同イベントには9万4805人が来場した。本稿では、専門展示会の1つである「第14回 データストレージEXPO」の出展の中から、今回初めてTechTargetジャパンで取り上げるストレージ製品やサービスを紹介する。
台湾の台北市に本社を置くQNAP SYSTEMSは、中堅・中小企業向けストレージ製品群「Turbo NAS」シリーズなどを出展。2012年5月に販売を開始した同シリーズの最上位機種「TS-EC1679U-RP」は、最大64Tバイトまでのストレージ容量を持つ16ドライブの3Uラックマウントのストレージだ。10ギガビットイーサネットに対応しており、2000Mバイト/秒の処理性能を持つ。
同社によると「中堅・中小規模の企業でもサーバ仮想化が普及し、以前よりも高性能のストレージが求められている。そのため、VMwareやCitrixに対応し、Microsoft Hyper-Vとの互換機能を搭載するなど、サーバ仮想化のニーズを満たすように設計されている」という。ストレージ統合やファイル共有、バックアップやディザスタリカバリ(DR)などに活用できる。
データI/O性能の向上を目的として、キャッシュとして活用するなど企業システムにおけるSSDの利用が進んでいる。しかし、既存のファイバーチャネルでは、SSDのアプリケーションへのレスポンスを妨げ、その利点を阻害してしまうこともある(関連記事:SSDのボトルネックはストレージインタフェース)
この課題を解決する方法として、ニューテックはストレージアクセス高速化ソフトウェア「Mellanox VSAストレージアクセラレータ」(以下、VSA)を出展。VSAでは外部共有サーバにSSDを配置し、InfiniBandまたは10ギガビットイーサネット経由でキャッシュとして活用。サーバ直接接続と同等のレスポンス性能を提供する。また、レプリケーション機能によってデータの二重化も可能だ。
同社によると「ストレージ統合によってI/O性能の高速化が要求されている。その解決策としてSSD導入は有効だ。しかし、高価なSSDを全てのデータベースやアプリケーションサーバなどに装着するにはコストが掛かる。VSAはストレージサーバの台数分だけで済むため、導入コストを削減できる」と説明した。
シー・エル・シーは、米CommVault Systemsの統合データ管理プラットフォーム「CommVault Simpana」を出展。CommVault Simpanaは「バックアップ/リカバリ」「アーカイブ」「レプリケーション」「ストレージリソース管理」「情報検索(サーチ)」「リポーティング」などの機能を単一画面で操作するソフトウェア。
シー・エル・シーによると「ファイル単位のより細かいリストアや特定データの迅速な検索などが可能で、リストア時間を大幅に削減できる」という。また、バックアップ機能の特徴として、テープへのバックアップ時にデータを重複排除した状態で保存できる点を挙げた。
データストレージEXPOでは、膨大な情報の管理・保護に不可欠なストレージソリューションが多く紹介されていた。今回紹介できなかった製品についても今後、取材して取り上げる予定だ。
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