2012年10月29日にリリースされるとみられる「Windows Phone 8」。国内販売はさらに先になりそうだが、注目すべき点は多い。今までに分かっている事実を整理しよう。
米Microsoftの「Windows Phone 8(WP8)」のリリースが目前に迫っているが、この新しいスマートフォンプラットフォームについては、まだ大きな疑問が幾つか残されている。前編では、WP8に関して既に明らかになっている5つの事実をリストアップする。
MicrosoftがOSをアップデートする主要な目的の1つに、新しいハードウェア機能をサポートすることがある。従来版のWindows Phoneでは、デュアルコアプロセッサや高解像度ディスプレー、メモリカードなど、競合端末では何年も前からほぼ標準装備となっているハードウェアをサポートしていなかった。
これとは対照的に、WP8は、HD(高解像度)ディスプレーやマルチコアCPUに加え、NFC(近距離無線通信)、デジタルウォレット、「Internet Explorer 10」「Xbox Music Pass」など数々の最先端技術や機能、アプリケーションを利用できる。
WP8は、端末内蔵の128ビット暗号化やリモート管理、安全な起動を実現する「Secure Boot」、企業独自のアプリケーションを社内で安全に配布する機能など、エンタープライズレベルのセキュリティを提供するためのアップデートも多数盛り込まれている。
既にWindows Phone 7(WP7)端末を購入したユーザーの場合、たとえそれが2012年の最新モデルである「Nokia Lumia 900」であったとしても、WP8を利用することはできない。残念ながら、Microsoftは、WP7端末をWP8へアップグレードできないようにしたのだ。また、WP8用に開発されたアプリケーションを従来の端末で利用することもできない。WP7用アプリはWP8で動作するが、その逆は不可能なのだ。
Microsoftはこの理由について、旧バージョンのWindows Phoneと、非常に制約が多い従来版対応ハードウェアから決別するためだとしている。これらのサポートを引きずることは、WP8の先進的な機能とアプリケーションを実行する妨げとなるからだ。遅い動作速度は、WP8のエクスペリエンスを台無しにするとMicrosoftは考えているようだ。
既存端末のサポート放棄に対する批判を和らげるためか、MicrosoftはWP8のリリース以降、少なくとも1年半はOSアップデートを通じてWP8端末を最新状態に維持すると約束している。つまり、リリース直後にWP8端末を購入したとしても、2013年秋まではメジャーアップデートが実施される心配がないというわけだ。携帯電話では2年間のサービス契約が標準であることを考えれば、1年半という期間は必ずしも長いとはいえないが、保証がない状態よりはずっとましだ。
WP8では、無線経由でOSをアップデートする機能も新たに導入される。メディアプレーヤー「Zune software」を使わずにWP8のアップデートが済むようにすることで、新バージョンを直接配信できる他の主要プラットフォームに対抗できるようにするというのが、Microsoftの狙いだ。
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