【徹底比較】中小企業向けクラウド会計サービスの帳票形式とコスト5つのサービスを紹介

低コストに加えて最新の法令に迅速に対応できるなどのメリットがあるクラウド会計サービス。その中で特に利用が広がっている中小企業向けサービスのコストや対応している帳票形式を比較する。

2013年01月29日 08時00分 公開
[垣内郁栄,TechTargetジャパン]

クラウド会計サービスとは

 これまでオンプレミスで運用することが多かった会計システムをクラウド上で運用するケースが多くなっている。特に利用が目立っているのが中小企業向けのクラウド会計サービスだ。

クラウド会計サービスのメリット

 中小企業にとってのクラウド会計サービスのメリットは主に以下の4つがある。

  • サーバミドルウェアを用意する必要がない
  • 追加料金不要で最新の法令に対応したシステムを利用できる
  • 社内に会計システムの運用管理担当者を置く必要がない
  • 月額の支払いが可能で使いたいときに利用開始できる

クラウド会計サービスのパターン

 現在、中小企業向けのクラウド会計サービスには以下の3つのパターンがあると考えられる。厳密にはクラウドとはいえないサービスもあるが、明確には区別されていないのが実情だ。

  1. クライアントPCからサーバ上のアプリケーションにアクセスして利用する。クライアントPCにはアプリケーションをインストールしない
  2. サーバ上とクライアント上のそれぞれにアプリケーションをインストールして連係させて利用する
  3. クライアントPC上でアプリケーションを実行し、データだけをクラウドのサーバ上に保存する

 本稿では、クラウドのメリットが最も得られると考えられる(1)のサービスを比較する。

紹介する各サービスの概要
サービス名 概要
GLOVIA smart きらら 会計 仕訳入力を効率化する辞書機能を搭載。ユーザーインタフェースにはマイクロソフトのスマートクライアント技術を採用
基幹業務SaaS by 奉行i オービックビジネスコンサルタント開発の会計システム「奉行iシリーズ」をクラウドで提供する。給与や人事販売管理など他の奉行iシリーズも用意
基幹業務SaaS by 大臣 応研の会計システム「大蔵大臣NX Super」の機能をクラウドで提供する。応研の「大臣シリーズ」は建設や公益、福祉など特定業種に強いのが特徴
ネット de 会計 複数ユーザーでの同時入力が可能。「Internet Explorer」「Google Chrome」の他、Mac OS Xの「Safari」でも利用できる
会計ワークス ユーザーのスキルに応じて3タイプの仕訳入力画面を用意。マスター情報や仕訳情報のインポート、エクスポートにも対応する

今回紹介したサービスの帳票形式とコストなどをまとめた比較表をPDFで提供しています

中小企業向けクラウド会計サービスの帳票形式とコスト」からダウンロードしてください。


月額料金と初期導入費

 月額料金は3000円台から8万円台までと幅広い。追加ユーザー数によっても月額料金は上下する。どのような要員でクラウド会計サービスを利用するかを明確にして料金をシミュレーションしたい。

各製品の月額料金と追加ユーザー料金
月額料金 標準ユーザー数 1ユーザー追加料金
きらら会計 1社利用 ミニベーシック 月額1万500円 1 月額3675円
3社まで利用 コンパクト 月額1万290円 1 ―(追加不可)
3社まで利用 ベーシック 月額3万6750円 1 月額1万5750円
3社まで利用 プレミアム 月額8万4000円 3 月額1万5750円
奉行 月額7万560円 3 月額1万2075円
大臣 月額6万2895円 3 月額1万1550円
ネット de 会計 月額3780円 5 月額525円
会計ワークス 月額3150円 2 月額3150円

 きらら会計は1社のみ利用できるメニューと、3社まで利用できるメニューを用意する。また標準で5ユーザー使えるネット de 会計と、2ユーザーが標準で使える会計ワークスは、自社と会計事務所との同時利用を認めている。奉行と大臣は自社での利用が基本だ。企業グループでの利用を想定している注意が必要だ。

 またネット de 会計と会計ワークスは月額料金の他に、年間の一括支払いにも対応する。ネット de 会計は年間の一括支払いを選ぶと1カ月分が割り引かれる。会計ワークスは月額費用合計(12カ月分)の5%引きになる。長期間の利用が見込まれる場合は年間の一括支払いも検討したい。

出力できる帳票

 出力できる帳票をチェックすることでクラウド会計サービスの機能を比較できる。業務に必要な帳票が出力できないと、表計算ソフトに数値を入れ直して出力する必要があり、手間が掛かる。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 オリックス株式会社

法対応に加えて業務効率化も加速、AI-OCR搭載のオンラインストレージとは

電子帳簿保存法やインボイス制度への対応で、担当者の負荷増大が課題となっている企業は少なくない。その解消方法の1つが、AI-OCRを搭載したオンラインストレージだ。本資料では、同サービスの機能や特徴を詳しく紹介する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア広告企画

ERPの次世代版「コンポーザブルERP」の正体はこれだ

「コンポーザブルERP」とは何なのか。従来型のERPとは何が違うのか。コンポーザブルERPのメリットとデメリット、導入に当たって乗り越える必要がある“難題”を整理する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア広告企画

いまさら聞けない「ERP」と「APS」のそれぞれの役割と違い

「ERP」(統合基幹業務システム)と「APS」(生産スケジューラー)にはどのような違いがあるのか。その役割や違いに加えて、特にAPSに適した用途を紹介する。

事例 jinjer株式会社

「勤怠管理システム」導入事例集:ベルーナ、リーフラス、牛乳石鹸共進社など

勤怠の正確な記録と管理を実現する勤怠管理システムだが、導入によって具体的にどんな成果が得られるのかイメージしづらい企業も多いだろう。そこで、勤怠管理システムを導入した10社の事例を基に、導入で得られた成果を詳しく紹介する。

製品資料 jinjer株式会社

勤怠管理の理想形、「多様な打刻」「誰でも使える」「管理が簡単」の実現方法は

効果的な勤怠管理を実現するために、勤怠管理システムを導入する企業が増えている。しかし「操作が複雑で定着しない」「申請の承認作業の負担が大きい」といった声も聞こえてくる。勤怠管理を簡単かつ正確に行うためにはどうすればよいか。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...