低コストに加えて最新の法令に迅速に対応できるなどのメリットがあるクラウド会計サービス。その中で特に利用が広がっている中小企業向けサービスのコストや対応している帳票形式を比較する。
これまでオンプレミスで運用することが多かった会計システムをクラウド上で運用するケースが多くなっている。特に利用が目立っているのが中小企業向けのクラウド会計サービスだ。
中小企業にとってのクラウド会計サービスのメリットは主に以下の4つがある。
現在、中小企業向けのクラウド会計サービスには以下の3つのパターンがあると考えられる。厳密にはクラウドとはいえないサービスもあるが、明確には区別されていないのが実情だ。
本稿では、クラウドのメリットが最も得られると考えられる(1)のサービスを比較する。
サービス名 | 概要 |
---|---|
GLOVIA smart きらら 会計 | 仕訳入力を効率化する辞書機能を搭載。ユーザーインタフェースにはマイクロソフトのスマートクライアント技術を採用 |
基幹業務SaaS by 奉行i | オービックビジネスコンサルタント開発の会計システム「奉行iシリーズ」をクラウドで提供する。給与や人事、販売管理など他の奉行iシリーズも用意 |
基幹業務SaaS by 大臣 | 応研の会計システム「大蔵大臣NX Super」の機能をクラウドで提供する。応研の「大臣シリーズ」は建設や公益、福祉など特定業種に強いのが特徴 |
ネット de 会計 | 複数ユーザーでの同時入力が可能。「Internet Explorer」「Google Chrome」の他、Mac OS Xの「Safari」でも利用できる |
会計ワークス | ユーザーのスキルに応じて3タイプの仕訳入力画面を用意。マスター情報や仕訳情報のインポート、エクスポートにも対応する |
月額料金は3000円台から8万円台までと幅広い。追加ユーザー数によっても月額料金は上下する。どのような要員でクラウド会計サービスを利用するかを明確にして料金をシミュレーションしたい。
月額料金 | 標準ユーザー数 | 1ユーザー追加料金 | |
---|---|---|---|
きらら会計 | 1社利用 ミニベーシック 月額1万500円 | 1 | 月額3675円 |
3社まで利用 コンパクト 月額1万290円 | 1 | ―(追加不可) | |
3社まで利用 ベーシック 月額3万6750円 | 1 | 月額1万5750円 | |
3社まで利用 プレミアム 月額8万4000円 | 3 | 月額1万5750円 | |
奉行 | 月額7万560円 | 3 | 月額1万2075円 |
大臣 | 月額6万2895円 | 3 | 月額1万1550円 |
ネット de 会計 | 月額3780円 | 5 | 月額525円 |
会計ワークス | 月額3150円 | 2 | 月額3150円 |
きらら会計は1社のみ利用できるメニューと、3社まで利用できるメニューを用意する。また標準で5ユーザー使えるネット de 会計と、2ユーザーが標準で使える会計ワークスは、自社と会計事務所との同時利用を認めている。奉行と大臣は自社での利用が基本だ。企業グループでの利用を想定している注意が必要だ。
またネット de 会計と会計ワークスは月額料金の他に、年間の一括支払いにも対応する。ネット de 会計は年間の一括支払いを選ぶと1カ月分が割り引かれる。会計ワークスは月額費用合計(12カ月分)の5%引きになる。長期間の利用が見込まれる場合は年間の一括支払いも検討したい。
出力できる帳票をチェックすることでクラウド会計サービスの機能を比較できる。業務に必要な帳票が出力できないと、表計算ソフトに数値を入れ直して出力する必要があり、手間が掛かる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
社員用の名刺を作成する費用を抑えるために自社で印刷している企業は少なくないが、仕上がりに不満が残るケースもあるという。高品質な名刺を低価格で作成するためには、どうすればよいのか。本資料でその方法を解説する。
クレジットカード支払いをはじめとするオンライン決済が広く普及した今。決済を安全かつ正確に行える仕組みづくりが不可欠となっている。その推進で直面しがちな課題と解決策について、5つのカテゴリーに分けて解説する。
サプライチェーンは市場の大きな変化と、自社IT環境における山積する課題に直面している。本資料ではその背景を考察しつつ、AIを活用したアプローチで、サプライチェーン変革を成功に導くデータインサイト実現の方法を解説する。
企業の税務部門は、増大する業務量や表計算ソフトの利用による非効率性に直面している。これらは経営・運営・業務などに影響を及ぼし、組織全体のパフォーマンスを低下させる要因となる。そこで注目したいのが、税務業務の自動化だ。
商流管理や原料管理などのデータを1つのExcelファイルに集約して計算していた加藤産業では、マクロ処理におけるメンテナンスの属人化などを解消すべく、新たな手段を模索していた。そこで選ばれたアプローチと、その効果とは?
ERPからあぶれたスキマ作業をどうする? RPAやBIでは解決できない理由 (2025/4/4)
マンガで解説:紙と「Excel」の販売管理から卒業したい 実現しやすい方法は? (2025/4/2)
制度変更で取引先が数千件増える? 3カ月でシステム構築できた事例 (2025/3/25)
人事管理システムの選び方 失敗しないポイントは? (2024/9/18)
人材開発って何? 人材育成との違いは? 効果的な方法を知る (2024/9/18)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...