電子カルテ連携やモバイル端末対応など、診療所向けPACSが提供する機能が拡充している。診療所向けPACS関連製品の動向を紹介する。
医療の高度化やモダリティの性能向上によって、画像検査の件数や検査画像の枚数が増加している。診療所でも従来のフィルム出力から画像のデジタル化、一元管理を可能にする医用画像管理システム(PACS)に移行するケースが増えているという。本稿では、診療所向けPACS製品の主流であるCRワークステーションを中心に関連製品の動向を紹介する。
PACSは、電子カルテと連動することで医療機関の診療行為をさらに効率的にする(関連記事:電子カルテは周辺システムとの連動でもっと便利になる)。PACS提供ベンダー各社は、電子カルテと一体型システムや電子カルテとの連動機能を持つ製品を発表している。
「Medicom-HRII Plissimo」は、パナソニック ヘルスケアが提供する電子カルテ「Medicom-HRII」と医用画像管理システム(PACS)「Plissimo」を一体化したクライアント/サーバ型システム。電子カルテ画面から直接DICOM画像データを呼び出したり、PACSのDICOM情報をカルテに自動的に記載するなど、データ連携を容易にする。また、電子カルテとPACSの本体やマウス、キーボードなどが1台で済むため、省スペース化が図れる。
コニカミノルタエムジーは2013年1月、「Unitea α」を発表。Unitea αは、SaaS型(Software as a Service)電子カルテを搭載する医療用画像ワークステーション。CR/DRコンソール機能、ビュワーとファイリングなどのPACS機能に電子カルテ機能を追加し、全ての診療データを一元管理できる。各種モダリティの画像やデジタルカメラ、スキャナの画像も取り込むことができる。X線画像撮影時には、撮影画像を画面に表示すると同時にカルテにも自動的に反映され、カルテの作成を効率化。電子カルテ機能をSaaSで提供するため、導入コストも軽減できる。
富士フイルムの電子カルテ連動型ワークステーション「C@RNACORE」は、連携モジュールソフトを介して、パナソニック ヘルスケアのレセコン一体型電子カルテ「Medicom-HR II」と連動する。C@RNACOREサーバで管理する内視鏡や超音波、心電図などの画像データを電子カルテに取り込むことができる。また、オンライン予約システム「C@RNA Connect」によって、病院/診療所間の連携を支援する。
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