舞台裏で進行するMicrosoftのサイバーセキュリティの取り組みMicrosoftを再評価

Microsoftのセキュリティ対策が不十分だと思われているなら、それは同社のTrustworthy Computing(信頼できるコンピューティング)の取り組みが表に出ないためだ。

2013年08月02日 08時00分 公開
[Warwick Ashford,Computer Weekly]
Computer Weekly

 米Microsoftが「Trustworthy Computing」(信頼できるコンピューティング:以下、TwC)部門を設立してから10年がたった。Trustworthy Computingという名称は、例えば「大人の男性」のように、どこか矛盾した表現であるように思われることが多いが、それは本当に公正な評価だろうか?

 Microsoftは製品のセキュリティ対策が不十分である、という見方は根強い。だがそれは、同社のセキュリティ関連対策の多くが表に出てこないためだ。Microsoftの本社、レドモンドキャンパスを訪れれば、多くの取り組みがなされていることに、ほとんどの人間は驚くだろう。いまだ大勢の記憶に残っている、2000年前後のマルウェア攻撃騒ぎとは対照的に、さまざまな取り組みが静かに進行している。

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 TwCは、当時のMicrosoft製品への猛攻を受けて設立された部門で、特定の製品に縛られず、全社的に取り組みを進めている。

テクノロジーの信頼を高める

 TwCでは、Microsoftの創設者ビル・ゲイツ氏が、同社の成功に極めて重要であることに気付いたセキュリティ、プライバシー、信頼性に関する諸原則を各製品グループが順守しているかどうかに、常に目を光らせている。

 TwCの統括マネジャー、エイドリエンヌ・ホール氏は、「製品チームの目がテクノロジーの信頼性向上に向くように、常に会社の体制を作り、調整を続けている」と話す。

 その一環として、TwCはセキュリティ、地政学的な問題、オンラインの安全性、クラウドの信頼性に関してのポリシーや標準、手続き(セキュリティ管理やインシデントレスポンスなど)について、全社での統一を図っている。

 また、Microsoftのセキュリティ開発ライフサイクル(SDL:Security Development Lifecycle)の改良にも絶えず取り組み、無料で全てのソフトウェア開発者に公開している。

 TwCはMicrosoft自身の製品グループだけでなく、Microsoftのゲームコンソールやアプリストア向けに開発されたサードパーティーの全てのコンテンツの審査も行い、同じポリシーの適用を徹底している。

 また、製品グループに対策を伝えるだけでなく、ユーザーのために脆弱性情報を提供する、セキュリティインテリジェンスリポートを年に2回発行している。

 さらにTwCでは、モバイル、ソーシャル、クラウド、ビッグデータという、ビジネスの判断に影響する主なITトレンドに注目し、各トレンドがもたらすセキュリティの課題に対して、各製品が適切な対策を講じられるようにしている。

 「課題への対応の仕方に製品間でばらつきが生じないように、多大な投資を行っている。新しい問題や新しい規制に気を配ることも、その投資の一環だ」とホール氏は話す。

 TwCが注視している動向には、

  • 世界のモバイルワーカー人口が2015年までに13億人、つまり全労働人口の37%に達するとみられていること
  • 企業の65%が少なくとも1種類のソーシャルソフトウェアツールを導入していること
  • 組織の70%がクラウドコンピューティングサービスを使用中あるいは使用を検討していること
  • 今後5年間で非構造化データが80%増加すると予想されていること

が挙げられる。

セキュリティの鍵はパートナーシップ

 それらを踏まえてサイバーセキュリティを考えると、アイデンティティーおよびアクセス管理、モバイルマルウェア、クラウドのセキュリティ、犯罪目的でのビッグデータ活用への対策に力を入れることになる。

 TwCの傘下には、以下のようなセキュリティ関連組織がある。

続きはComputer Weekly日本語版 2013年7月24日号にて

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