米EFFが、セキュアなメッセージングツール選びの参考になるスコアカードを公開。あのツールは暗号化されていない!? 一方、政府機関は「犯罪に利用されるから」と暗号化を控えるようにベンダーに要請している。
米Electronic Frontier Foundation(EFF)が公開した「Secure Messaging Scorecard」(メッセージングの安全性スコアカード)によると、全てのセキュリティ基準を満たすメッセージングテクノロジーはあまりないという。
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このスコアカードは、チャットクライアント、テキストメッセージングアプリ、電子メールアプリ、音声通話とビデオ通話のテクノロジーなど、39のメッセージングツールを評価している。EFFによれば、スコアカードで評価しているのは、利用者が多く、機密性の高いユーザー通信を大量に扱っているテクノロジーと、高度なセキュリティの実践で先駆的な立場にある小規模企業が提供するテクノロジーだ。
EFFはツールの評価に次の質問を使用している。
スコアカードによると、この7つの基準全てを満たしているツールは6つしかない。最も高いスコアを記録したのは
の6つだった。
米Appleの「iMessage」と「FaceTime」はコンシューマー市場で最も多く採用されているが、現状では調査に使用された高い基準を全て満たす保護を提供していない。米Google、米Facebook、Appleの電子メール製品や米YahooのWebおよびモバイルチャット、「Secret」「WhatsApp」などの多くのツールは、サービスプロバイダーでの読み取り防止に不可欠なエンドツーエンドの暗号化が行われていない。また、「QQ」「Mxit」、デスクトップ版の「Yahoo Messenger」など主要メッセージングプラットフォームの幾つかでは、全く暗号化が行われていないことが明らかになった。
EFFのテクノロジープロジェクト責任者のピーター・エッカースリー氏によれば、多くの新しいツールが安全性をうたっているが、エンドツーエンドの暗号化や安全な削除などの重要な機能が用意されていないという。
「このスコアカードでは、自身のメッセージを送信するのにふさわしいテクノロジーを選ぶために必要な事実を公表している」と同氏は話す。
EFF所属の弁護士、ネート・カルドゾ氏は、友人、家族、同僚などと毎日通信する人が必要とするツールの向上に、同社のデジタル著作権グループが取り組んでいると話す。
「Secure Messaging Scorecardがきっかけで頂点を目指す競争が始まり、より強力で便利な暗号のイノベーションに拍車が掛かることを願っている」と同氏は語る。
スコアカードは、EFFが実施する安全で便利な暗号に関するキャンペーンの一環だ。このキャンペーンは、非常に安全かつ簡単に使用できる最も優れたテクノロジーを決定することを目的にしている。
しかし、このキャンペーンの開始と同時期に、米国、英国、欧州連合の法執行機関からコンシューマー通信での暗号化を控えるよう一連の要請が行われた。
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