SMB向けバックアップソフト紹介:デル・ソフトウェア
CDPに近い仕組みで継続的にデータを保護する「Dell AppAssure」
デル・ソフトウェアのバックアップ/リカバリソフトウェア「Dell AppAssure」は、「継続的なデータ保護」「迅速なシステムリストア」「どこにでもリカバリ」の実現を支援する機能を備えている。
バックアップツールの見直しが必要な時期に
デル・ソフトウェアが2014年11月に国内提供を開始したバックアップ/リカバリソフトウェア「Dell AppAssure」。「Microsoft Hyper-V」「Microsoft Exchange Server」「Microsoft SQL Server」やWindowsベースのファイルサーバなどを保護対象とする機能を備え、主に中堅・中小規模の企業での利用に適する製品だ。
現在のデータ保護における課題として、デル・ソフトウェアのデータプロテクション営業本部で本部長を務める土橋一範氏は「データの重要性が増す中で、システムの常時稼働がより強く求められている。また、BCP(事業継続計画)の観点からバックアップとリカバリに対する時間短縮の要求が経営層から寄せられるようになっている」と指摘する。
また、「古いツールでは機能面で限界もある。バックアップツールの再選定を通じたバックアップの高度化が必要だ。作業の自動化の観点からツールを選ぶことで、作業の抜本的な効率化につなげられる」とツール見直しの意義を強調する。その実践のためにデル・ソフトウェアが提案するのがDell AppAssureだという。
CDPに近い仕組みで継続的にデータを保護する「Dell AppAssure」
土橋氏によると、AppAssureが目指しているのは「継続的なデータ保護」「迅速なシステムリストア」「どこにでもリカバリ」の実現だという。
Dell AppAssureは、バックアップ対象のサーバにエージェント「AppAssure Agent」をインストールし、データの保存先となるサーバ「AppAssure Core Server」を設置するというシステム構成だ。1台のCore Serverで最大100システムを保護できる。
最初にフルバックアップを実施した後は、Microsoftが提供する「VSS(Volume Shadow Copy Service)」を利用したスナップショットとレプリケーション技術によって、ブロック単位で変更箇所のみを指定時間ごとに増分バックアップする形式を取る。バックアップ間隔の指定時間は初期設定で1時間、最短5分の設定も可能だ。「毎日100回バックアップを実施することも可能で、CDP(Continuous Data Protection、継続的データ保護)製品の機能に非常に近い」(土橋氏)。また、Core Serverでは取り込んだ直後のデータに破損検査を実施し、保存時にデータの重複を排除するインライン方式の重複排除を行う。これによりデータの整合性を高めつつ、容量を抑制する。
土橋氏は「RPO(目標復旧時点。一般的にはバックアップデータを取得する間隔)が5分であれば、ほぼ全てのシステムのデータ保護要件を満たせるはず。加えて処理の自動化により、システム部門の負荷も大幅に軽減される」とAppAssureのメリットを説明する。
迅速なリストアのための独自機能も
「なるべく早くデータやシステムをリカバリしたい」と考える管理者も多いだろう。AppAssureでは迅速なリストアのための独自機能を備える。「Live Recovery」機能では、ファイルシステムのインデックス部分を最初に復旧させてアクセス可能な状態にし、バックグラウンドでリカバリを続ける機能だ。アクセスがあったファイルから優先的にリストアするので、縮退運用よりも早期にシステムを復旧できる。
また、「Virtual Standby」機能では仮想化ソフトウェア「VMware ESXi」「Hyper-V」の仮想マシンでコールドスタンバイ環境を整備する。AppAssureのバックアップデータを仮想マシンへ継続的に反映させ、障害発生時には環境を切り替えることでシステムを復旧する。なお、システムリカバリとは異なるが、AppAssureでは直近のイメージからのファイル単位のリカバリも可能だ。
クラウドや遠隔拠点でのレプリケーションも可能
「どこにでもリカバリ」とは、物理や仮想を問わず異なる環境でのリカバリを可能にすることを指す。AppAssureでは、複数の遠隔拠点へのレプリケーションやクラウドサービスへのレプリケーション/アーカイブを実施する機能「Cloudレプリケーション/Cloudアーカイブ」なども提供している。
「AppAssureはBCPやDR(ディザスタリカバリ)にも有効。分散管理によりリスクを低減できることに加え、重複排除した増分ファイルは容量が小さいので、転送時のネットワーク負荷も抑えられる」(土橋氏)
作業の完全自動化に向けた“一工夫”も
「AppAssureは、業種業態を問わずあらゆる企業や組織で導入できる。既に海外では採用企業も登場しており、その実績を基にメリットの周知を図りたい」と土橋氏は語る。
AppAssureの先進ユーザーの1つが英国に本拠とする世界最大の私立高等学校グループ「GEMS Education」である。同校はバックアップ作業に莫大な時間を要することを問題視し、バックアップツールの見直しを決断。後継としてAppAssureに白羽の矢を立てた。その成果は復旧作業時間の9割減やストレージ容量の4割減といった数字に明確に表れている。AppAssureの現在のバージョンは「5.4.2」。販売価格は、初年度の保守費用込みで22万160円(税別)だ。
また、デル・ソフトウェアでは、AppAssureとバックアップソフトウェア「NetVault Backup」「vRanger」を組み合わせたパッケージ製品「Dell Backup & Disaster Recovery」を提供している。バックアップ業務に必要な作業をいわばサービスとして提供するとともに、サービスの標準化にも取り組む計画だ。
サービス提供で最終的に目指すのは、「IT部門の手を煩わさないオペレーションの完全自動化だ」と土橋氏は説明する。「IT部門は長年、バックアップに煩わされてきた。そのことを考慮すれば、バックアップ関連作業をサービスでカバーできるメリットは料金よりも確実に大きいはず。その実現に向け、サービスレベルのメニュー化と、サービス提供のための仕組みの整備が当社にとって当面の目標」(同氏)
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