Windows 10に同梱されているメールアプリケーションとカレンダーアプリケーションは、タブレットモードとWindowsデスクトップのどちらからでもアクセスできる。だが、この2つのアプリケーションはタブレットユーザーにとって特に役立つだろう。米Appleの「OS X」「iOS」やAndroidに特徴的なフラットなデザインが採用されているため見た目に分かりやすい。その結果、指で操作しやすくなっている。メールアプリケーションとカレンダーアプリケーションはタブレットユーザー向けに整理されていて機能的で、スワイプジェスチャーをサポートしている。また、カレンダーアプリケーションでは二本の指を画面に触れた状態で、指を遠ざけたり近づけたりするピンチ操作でズームする操作がサポートされている。
Windows 10では、公式ブラウザーとして「Microsoft Edge(Edge)」が導入されている。「Internet Explorer(IE)」は公式ブラウザーではなくなっている。Edgeではフラットでシンプルなデザインが採用されている。ただし、Edgeはまだ完成していない。問題が多く、現時点では、ブラウザーの拡張機能がサポートされていない。評価できる点は、IEよりもWebページの表示速度が速いことだ。それから、タブレットユーザー向けの機能を搭載していることもプラス要素になるだろう。Webページへの書き込みが可能で、書き込んだページをメモとして保存して、メールで送信することができる。
IEの機能が必要な場合でも、IEはWindows 10に標準で搭載されているのでご心配なく。また、「Google Chrome」などの他社ブラウザーをインストールするという選択肢もある。
「Cortana」は、MicrosoftがAppleの「Siri」に戦いを挑むために作成したデジタルアシスタントだ。CortanaはWindows 10とEdgeに統合されている。CortanaはWebの検索に便利だと思われる。例えば、「コルタナさん、ロードアイランド州の州都はどこですか」といえばよい。だが、現時点では、本当に便利なものというよりは仕掛けのようなものに思える。誕生したばかりの状態であることは間違いない。TechTargetが実施したテストでは、Siriに対して同じ質問を投げ掛けたが、Siriの精度はCortanaと同等かそれ以上だった。とはいうものの、スクリーンキーボードを使用して文字を入力するのが好きではないタブレットユーザーは、Cortanaが気に入るかもしれない。
新しいバージョンのWindowsほど大きくて複雑なものであれば、ユーザーは問題が発生することを覚悟している。Windows 10は、Windows 8ほど大きな論争を巻き起こすことはないと予想されるが、問題がないわけではない。
Edgeは完成しておらず、ほぼβ版の扱いであることは上述の通りだ。他の部分については、日常的に使用するのには申し分ない状態であるように思えるが、洗練されていないと感じる部分が少なくない。Microsoftは今後時間をかけて調整するつもりだと見られており、これから特定されるバグも多数あるだろう。
論争を巻き起こす可能性が高いのは、更新プログラムが利用できるようになり次第、Windows 10 Homeで更新プログラムが強制的に適用されることだ。過去には、新しいバージョンのWindowsにあるバグが問題を引き起こす事象が発生している。そのため多くのユーザーは、問題が検出されて修正されるまで更新プログラムの適用を待つ姿勢を取っている。更新プログラムの適用を先延ばしにするには、Windows 10 Professionalを使用するほかない。
Windows 10はさまざまなことが改善されている。だが、マウスで操作するように設計されたサードパーティーのアプリケーションをタブレットユーザーが操作できるようにする機能強化はなされていない。これはMicrosoftの責任ではないが、タブレットユーザーがWindows 7以前のWindows用に作成されたアプリケーションを使用するときには、小さなコントロールのウィジェットをタップするのに苦労するか、スタイラス/ペンを使用する必要があるだろう
Windows 10に対する懸念があるのは当然のことだ。Microsoftは過去に過ちを犯しており、Windows 10でも同じことが繰り返される可能性がある。だが、そのようなことはない。Windows 10は、タブレットユーザーにとってWindows 8より優れている。また、ノートPCやデスクトップPCユーザーにとってもWindows 7より優れている。
Windows 10は新しいOSで問題がある。だが、OSの基本的な設計に欠陥があるわけではなく、振り出しに戻ることなく解決できる比較的小さな問題だ。
もしWindows 10へのアップグレードを検討している場合は、「Windowsタブレットユーザーが『Windows 10』を導入すべきは、今すぐ? それとも半年後?」も参考にされたい。
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