HeartbleedバグはOpenSSLに極めてポジティブな影響をもたらしたこれからも派手なバグが登場するだろう

IT業界に大きな影響を及ぼしたOpenSSLのHeartbleedバグ。セキュリティ企業Rapid7のビアズリー氏は、これを「ポジティブな影響」と評価する。Heartbleedバグはどのような影響をもたらしたのだろうか?

2015年10月08日 08時00分 公開
[Warwick AshfordComputer Weekly]
Computer Weekly

 2014年4月、「OpenSSL」の幾つかのバージョンの暗号化ライブラリに「Heartbleed」の脆弱(ぜいじゃく)性が見つかった。だが、セキュリティ企業の米Rapid7は、この発見の影響を肯定的に捉えている。

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 同社でセキュリティエンジニアリングマネジャーを務めるトッド・ビアズリー氏は「一流ブランドに大きなバグがあったということでOpenSSLに注目が集まるのなら、もっと早く発覚していればと思わずにはいられない」と話す。

 同氏は、米ラスベガスで開催されたハッキングカンファレンス「DEF CON 23」でComputer Weeklyのインタビューに答えて、Heartbleedの影響を「極めてポジティブ」に捉えていると語った。

 Rapid7でオープンソースソフトウェア(OSS)フレームワークの「Metasploit」に携わっているビアズリー氏によると、Heartbleedの発見以降、OpenSSLに少なくとも2つのフォークが誕生したという。1つは、米Googleが独自にリリースした「BoringSSL」。もう1つは、OpenBSDのプロジェクトメンバーが立ち上げた「LibreSSL」だ。

 「個人的には、フォークの誕生を歓迎する。『真のバージョン』が分からなくなるという理由でソフトウェアのフォークには批判的な意見が多いが、ユーザーが使用しているもの全てが『真のバージョン』ではないだろうか」と同氏は話す。

 Heartbleedの欠陥が発見されたことによってOSSのセキュリティが注目を集めるようになった。そのポジティブな影響の1つが、OpenSSLフォークの誕生だと同氏は考える。

 「OpenSSLの標準ライブラリが商用製品で、実際には1人の開発者または単独のソフトウェア開発チームだけが管理していたとしたら、事態はもっと深刻だったはずだ」とビアズリー氏は言う。

 「ある銀行はOpenSSLを使用していなかったのでHeartbleedの影響を受けなかったが、独自の暗号化システムを使用しているため、どのようなバグを誰が把握しているのか分からない」

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