求められた拡張性、可用性、高速性能
毎日2万枚発生する放射線画像を管理、米医療機関が選んだハイパーコンバージドとは
CarePoint Healthは医療データ増大を見越し、ハイパーコンバージドシステムを導入した。ローカルSANの拡張とともに、クラウドストレージに医療データを移動してコストを削減した。
米国の医療機関CarePoint Health(以下、CarePoint)は「将来にわたって利用できるアジャイルデータセンター」を目指し、ハイパーコンバージドアプライアンスとクラウドストレージを採用してITインフラを刷新した。
CarePointは「Dell XC Webスケールコンバージドアプライアンス」(以下、Dell XCシリーズアプライアンス)を導入し、Cisco Systems製スイッチをSDN(Software Defined Networking)対応の「Dell Networking」スイッチに置き換え、患者記録の電子データと医用画像をDellのクラウドデータセンターに移動した。Dell XCシリーズアプライアンスは、Dellとハイパーコンバージドシステムの草分けであるNutanixが結んだOEM販売契約に基づき、Nutanixソフトウェアを搭載して販売されている。
Dell XCシリーズアプライアンスは、コンピューティングやネットワーク、ストレージ、仮想化のリソースを1つの筺体にまとめ、ソフトウェアを使用して高度に統合したハイパーコンバージドアプライアンスだ。CarePointはこのアプライアンスをニューヨーク市ブルックリンにあるデータセンターに導入した。また、「Dell Managed Services」を利用して、必要に応じてクラウドストレージ容量を購入している。CarePointのグループ病院のそれぞれでは、Dell XCシリーズアプライアンスを補ってデータの急増に対応していくために、ローカルストレージとしてHewlett Packard Enterprise(HPE)の「3PAR」シリーズSANアレイも使用している。
CarePointでは、2012年に実施した一連の病院買収に伴い、異なるアーキテクチャが混在することになったインフラの集約を進めた。Dell XCシリーズアプライアンスの導入はその一環だ。従来のシステムでは、「将来にわたって利用できるアジャイルデータセンター」を実現することはできなかったと、CarePointのCIOを務めるジョエル・テイラー氏は語る。
「われわれは、構成するのに膨大な時間や専門ノウハウが必要ない管理システムを求めていた。そこでDellがわれわれに紹介してくれたのがNutanixの技術だ。同社の技術を使えば、スタッフが管理に要する労力が減り、納期を大幅に短くできることが分かった。こうした労力の軽減と納期の短縮はIT部門で常に求められていることだ」(テイラー氏)
さらに同氏はこう語る。「われわれとしては、サーバ1台につき2つか3つのアプリケーションを稼働させる従来の運用モデルから脱却する戦略だった。比較したところ、DellとNutanixの技術を組み合わせたアプライアンスに移行すれば、コストを従来モデルの約4分の1に抑えられる見通しとなった。そのため、このプロジェクトはCFO(最高財務責任者)にも話を通しやすかった」
DellのXCシリーズとディザスタリカバリークラウドの組み合わせ
一方、テイラー氏は、電子カルテ(EMR)と医用画像のためにストレージ容量を増やす場合のコストが予測できることも望んでいた。
「新しいストレージが必要になる理由の最たるものが放射線画像で、わずかな差でこれに続くのが電子カルテだ。われわれの病院では、毎日約2万枚もの画像が撮影される。いかに急速にデータが増えていくかお分かりになるだろう」(テイラー氏)
CarePointが使っているMedical Information Technology製のEMRアプリケーション「MEDITECH」と、PACS(医用画像管理システム)の画像は、オハイオ州シンシナティにあるDellのクラウドデータセンターでホストされている。このデータセンターとブルックリンにあるCarePointのデータセンターはMPLSネットワークで結ばれている。Dellはシンシナティのデータセンターに保存されているCarePointのデータを、複数の州にある自社のデータセンターに複製している。
さらに、CarePointはディザスタリカバリー時に病院の医用画像データにアクセスできるようにするため、「Dell Cloud Clinical Archive」も利用している。病院の職員はCitrix Systemsの「XenServer」ベースの仮想デスクトップインフラを使って、Dellのクラウドストレージにアクセスする。
テイラー氏は「MEDITECH用のインフラは寿命に近づいていたが、それを更新するよりクラウドストレージに移行する方が、安上がりで楽だった」と語る。DellはCarePointにおけるデータの使用状況を分析し、どのようなペースでどのくらいのストレージ容量の追加購入が必要になるかを予測している。
「自分で管理しなければならないオンプレミスストレージよりも、使った容量に応じて料金を支払えばよいクラウドストレージの方がはるかに魅力的だ。容量の確保について考えずに済む。Dellがわれわれに必要なストレージを提供してくれるので、私のチームは、高い可用性やアップタイムを医師に提供するシステムの実現に集中できる」(テイラー氏)
CarePointは3PARのアレイに加えてCommVault Systems製のディスクバックアップ製品も、従来のインフラ要素の中に残した。バックアップと重複排除を行うソフトウェア「Simpana」のバージョン10が稼働するこのアプライアンスは、3PAR SAN内のミッションクリティカルでない企業データを保護する。ブルックリンにあるCarePointのデータセンターにあるCommvaultアプライアンスから、近くのコロケーション施設にあるセカンダリアプライアンスにデータが複製されるようになっている。
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