この連載は「いきなりIT部門に転属したら用語が全然分からん!」という担当者を救済するネットワーク入門企画だ。今回は「SDNとNFVの今後」を考えてみる。
SDN(Software Defined Networking)でもNFV(Network Function Virtualization)でも、製品やサービスを提供するベンダーの思惑は一枚岩でない。SDNの場合はONF(Open Network Foundation)という団体で仕様を策定している。代表的なネットワークベンダーのCisco Systemsも加盟しており、多くのSDN対応製品をリリースしている。製品だけではなく「Cisco One Platform Kit」(onePK)といったツールキットや、オープンソースソフトウェア(OSS)ベースのSDN向けのフレームワークである「OpenDaylightへの参画などにも取り組んできた(参考:シスコシステムズのブログエントリ「オープンソース コントローラ フレームワーク ― OpenDaylight (1) 」)。
ところが、それとは別に「Cisco Application Centric Infrastructure」(ACI)を2013年11月に発表している。このACIの狙いは、SDD(Software Defined Data Center)というSDNより1つ上の階層と考えればいい。「ユーザー企業が望むソリューションを提供する」といえば聞こえはいいが、SDNの普及という観点ではエンドユーザーが混乱しかねない。
この動きはCiscoだけでない。SDNという標準規格が定まり、そのSDNのコントローラーもOpenDaylightなど数種類ある状態では、それをそのまま実装しても差別化は難しい。「OpenFlowを勝手に拡張しました」というわけにもいかない。ではどうするか? と悩むベンダーがSDNをベースにしながら、さらに広範な製品を提供する方向に行き着くのは必然だろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
製造業の8割が既存顧客深耕に注力 最もリソースを割いている施策は?
ラクスは、製造業の営業・マーケティング担当者500人を対象に、新規開拓や既存深耕におけ...
「生成AIで作った広告」が物議 そのとき、コカ・コーラはどう動いた?
生成AIを広告制作に活用し、議論を呼んだCoca-Cola。この経験から何を学んだのか。
新規顧客獲得と既存顧客のLTV向上、それぞれのCRO(コンバージョン率最適化)について
連載第4回の今回は、新規顧客の獲得と既存顧客のLTV(顧客生涯価値)、それぞれのCRO(コ...