大規模なハイパーコンバージドインフラだけに購入時のモデル選択は失敗できない。そうなると安全策になりがちだが、定番の「大手ベンダー」モデルが自分たちの組織に最適とは限らない。
HCI(ハイパーコンバージドインフラ)のベンダー製品の選択肢は非常に多く、新製品も続々と市場に登場している。自社に最適な製品の選定は気が遠くなるような難題だろう。
そこで、この記事ではHCIベンダーが提供する製品を評価する。評価において重要なのは、HCIの目的を把握しておくことだ。既に前編として「ベンダーに言い負かされないためのハイパーコンバージド選びのコツ」を紹介しているが、今回はその後編として、購入価格に関するチェックやサポートする仮想マシンの違い、サポートのカバー範囲の検討などを紹介する。
HCIの中には少数のモデルで構成して価格設定が明快なモデルがある一方で、コンピューティングとストレージの選択肢を含めて相当数のオプションを提供しているモデルも存在する。また、ベンダーが提供する見積もりシステムを使わなければ購入価格を確認できない場合もある。
多くのベンダーは、モデルを構成するための具体的なワークロードが分からないと価格交渉には応じない。また価格交渉を行う場合でも、それはそのユーザー企業に限定した話になる。ユーザー企業が購入する構成を決めた段階で価格の話をするのが一般的だ。
最適なシステムを構築するためにユーザーが組み合わせる構成要素について、明快で簡単な説明と購入価格を提供しているという点で、Scale Computingは高く評価できる。Scale Computingのエントリーレベルの製品は、約2万5000ドルと、他の主な競合製品に比べて安価に設定している。次点はSimpliVityとPivot3で、それぞれのベンダーが提供するエントリーレベルシステムの概算見積もりは5〜6万ドルになる。その他のHCIアプライアンスベンダーが提供しているエントリーレベルの製品の価格は6万〜10万ドルの範囲に収まる。
HPEの顧客は大量のオプションを調査しなければならない。VMwareの「VMware Virtual SAN」も多くの選択肢を用意している。購入するならソフトウェアをプリインストールした既成の多様な構成から選ぶか、互換性のある製品や推奨製品を一覧にしたSKUリストからハードウェアパーツを選択しなければならない。その他のベンダーは、この領域では中間に位置する。SimpliVity、Pivot3、Maxtaはローエンド寄りで、小規模で扱いやすい構成要素を提供している。Nutanix、HyperGrid、Stratoscaleは、それぞれハイエンドからローエンドにまたがる製品を提供している。大規模で複雑な構成要素があるためだ。
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