2017年03月21日 12時00分 公開
特集/連載

OpenSatckの管理に役立つツールとヒント頻繁なアップデートも確実に対応

企業は「OpenStack」に自由を感じているものの、管理の難しさに手を焼いている。しかし、ここで紹介するツールとヒントを使えばもっと楽に活用できるはずだ。

[Kathleen Casey,TechTarget]
OpenStackの円滑な利用には半年ごとにある新バージョンリリースのトラックが必須だ

 ベンダーロックインのリスクを回避するために、「OpenStack」などのオープンソースで提供しているクラウドテクノロジーを採用する企業が増えている。OpenStackプラットフォームは、アジャイルで柔軟性の高いIaaS(Infrastructure as a Service)モデルを提供する。OpenStackは、演算処理、ネットワーク、ストレージという主な3つのサービスで構成しており、IT担当者は3つのサービスを1つのダッシュボードで管理できる。ユーザー企業とその担当者は、インフラ、アプリケーション、データを管理できる点を評価している。

 しかし、OpenStackには大きな欠点がある。それは、OpenStackが、比較的まだ新しいため、IT担当者が複雑なテクノロジーに対処しなければならないことだ。

 50個を超えるコンポーネントで構成するOpenStackには導入を困難にする可変要素が多数ある。OpenStackの導入を困難にしている主な原因が、OpenStackのスキルを持つIT担当者の不足だ。OpenStackの管理ツールとサービスは、こうした課題の解決とサードパーティー製リソースへのアクセスにも役立つ。この記事で紹介するヒントを参考にすれば、OpenStackを導入して最大限に活用できるだろう。

OpenStackのプライベートクラウド用の管理オプションを調査する

 IT部門がOpenStackプライベートクラウドをゼロから構築して運用するには、多くの管理ツールが必要になる。

 OpenStackのダッシュボード「Horizon」は、OpenStackサービスを管理および監視するWebベースのインタフェースだ。その他にも、OpenStackの管理ツールとして「Ceilometer」「Murano」「Congress」などがある。OpenStackコミュニティーは、各種構成を導入、テスト、管理するためのツール「Fuel」も開発している。

 こうしたツールの主な問題点は、それぞれで完成度が異なることだ。そのため、ツールによって使いやすさに差がある。

 その他のサードパーティー製ツールも活用できる。プロビジョニングとオートメーションにはRed Hatの「CloudForms」、管理と制御にはCloudynの「Cloudyn」などが利用可能だ。さらに、Mirantisは、ハードウェア込みのOpenStackディストリビューションセットに「Fuel」をオプションで同梱している。ツールの選択には、自社のインフラ計画を考慮すべきだ。ソフトウェア定義のインフラを採用する事例が増えている。そのため、StratCloudやMirantisなどのクラスタ管理ツールが今後の需要に合うかもしれない。

OpenStack Horizonダッシュボードのカスタマイズを検討する

 OpenStack管理ダッシュボードのHorizonは、「User Dashboard」「System Dashboard」「Settings Dashboard」の3つの部分で構成する。管理者はダッシュボードを使用して演算処理インスタンスの起動および管理や、アクセス制御を構成するなど各種作業ができる。

 新しいバージョンのOpenStackでは、クラウド管理者がHorizonのカスタマイズに使えるオプションを追加した。「Kilo」のリリースにより、ユーザーはさまざまな色、レイアウト、スタイルを使用してカスタマイズ可能なテーマを利用できる。現在、クラウド管理者は独自のテーマをゼロから作成するか、既存のテーマをベースに独自のテーマを作成できる。ナビゲーションバー、テーブル、アラートなどの要素をカスタマイズする機能に加えて、管理者は企業のロゴやブランド名の挿入も可能だ。管理者は、より高度な構成オプションの使用も検討できる。

OpenStackアップデート中のリスクとダウンタイムを最小限に抑える

  OpenStackのサービス、ツール、機能は継続的に進化している。そのため、OpenStackのアップデートを見逃さないことが重要だ。OpenStackは、まだ新しく、約半年ごとに新しいバージョンをリリースするため、混乱が生じる場合もある。ダウンタイムを回避するには、新しいアップデートに他のモジュールとの依存関係がないことを確認すべきだ。依存関係がある場合は、両方のモジュールを一緒にアップデートする必要がある。

 OpenStackの自動アップデートはダウンタイムを最小限に抑え、コマンドラインインタフェースを使用する手動アップデートより高速だ。管理者はRed Hatの「OpenStack Platform Director」などのOpenStackディストリビューションを通じてアップデートを自動化できる。その他には、Hewlett Packard Enterprise、Dell Technologies、IBMなどのツールも使用可能だ。これらのOpenStack管理ツールは、複数のモジュールで依存関係があるため完全ではないが、メジャーアップデートで役に立つ。

IT担当者の忍耐力を試すOpenStackのスケーラビリティ

 クラウドでは、拡大するコンピューティング環境の需要を満たすためにスケーラビリティは非常に重要だ。企業は使用した分だけ支払えばよいので、クラウドの予算ではリソースを簡単に拡大および拡小できる。しかし、OpenStackは今もなおスケーラビリティに苦戦している。管理者はサードパーティーのツールを使用してスケーラビリティを向上できるが、ベンダーロックインのリスクがある。そのため、サードパーティーベンダーを頼る前に、OpenStackに関する他の管理手法を検討するのが望ましい。

 OpenStackの拡張性にまつわる問題は、約30個のモードまでしか拡張できないOpenStackのネットワークモジュール「Neutron」に起因する。「Nova」モジュールと「Keystone」モジュールもボトルネックとなってスケーラビリティの問題要素となり得る。管理者はNovaを調整してAPIと指揮するワーカーの数を増やすことで、ネットワークとボトルネックの問題を軽減できる。OpenStackが進化して普及と機能に対する理解が進めば、スケーラビリティの問題は軽減できるだろう。

OpenStack Tempestを使用して導入をテストする

 OpenStackのテストで、全てが期待通りに動作していることを確認できる。企業はテストを利用して、データ侵害につながったり、ユーザーの操作性に影響を及ぼしたりする可能性のある異常を検出できる。OpenStackの「Tempest」は、OpenStackに対して「API」「Scenario」「Unit」という3種類のテストを提供するツールだ。

 ScenarioテストはOpenStackのワークフローが対象なので、この3つのテストの中で最も重要がある。例えば、クラウド管理者はScenarioテストを利用して仮想マシンの導入プロセスを微調整できる。テストの作成では、関連する全てのOpenStackのコンポーネントを含む範囲とコンポーネントの対話方法の定義が必要なことを覚えておいて欲しい。残念ながら、データセンターが完全に機能しているかをテストするのは簡単な作業ではなく、さらに多くの時間と計画が必要だ。

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